「ネットの芸能ニュースの消費期限は2時間。取材後、2時間以内にアップしないとニュースの価値はないと言われている。ですから、とにかくニュースの大小に関係なく記者を現場に派遣して、その場から次々と記事と写真を配信する。真偽よりスピードが重要視されている現状は異常。さらに、近年は芸能人のSNSを扱った報道に重点が移りつつあります」(韓国の芸能ジャーナリスト)

 女優で元f(x)のソルリ、元KARAのク・ハラら芸能人が、次々と自ら命を絶つ事態が続いている韓国芸能界。彼女らを苦しめたのが、韓国のネットメディアの報道と、その記事に寄せられるコメントだった。韓国のネットでは、一体になにが起こっているのか。

元KARAのク・ハラ

 韓国の芸能界を取材する、現地スポーツ紙「スポーツ京郷」エンターテインメント部の河京憲(ハ・ギョンホン)記者は次のように解説する。

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「いま芸能界を取材する記者にとって、トップスターのSNSが主な取材ソースの一つになっています。スクープ記事を書くためには取材を重ねたり、多くの時間と人件費が必要ですが、SNSの取材なら時間も経費もかからないですから。私も出勤すると、まずリスト順にSNSを巡回しながら記事になる書き込みがないかチェックしていました。

大手ポータルサイト『NAVER』の芸能ニュース

 ところが、最近はSNSをやっているスターが急増したのでとても確認が追いつかない。あるネットメディアでは、タレントのSNSを専門的に取材する『イシュー・チーム』と呼ばれる部署まで作っています。その部署の記者はSNSをひたすらチェックし続けて、過激な書き込みがあれば、すぐに記事にするのです」 

過激コメントを探して、再び記事化

 スターがSNSに投稿した刺激的な書き込みを記事化するネットメディア。その記事は、大手ポータルサイトを通じて広がっていくのだという。