極め付けは、先輩からの耳打ち
もう絶対楽しめないじゃないですか。「で、どの子が隣に座るの?」みたいな顔でこっちを見ているおじさんたちと、「なんでおじさんの隣以外の選択肢がないの?」とちょっとキレてて困ってる女の子たち。多分、ここからどう頑張っても盛り返せないじゃないですか。
仕方がないのでとりあえず空けられた席に座るけれども、その場を純粋に楽しむことはできませんでした。極め付けは、先輩から耳打ちされた「部長にデザートを『あーん』してあげて。喜ぶからさ」という一言。あまりに驚いて「なんでそんなことしなくちゃならないんですか、自分がやったらいいんじゃないですか」と私が吐き捨てるまでの流れを、どうやら部長本人が目撃していたらしく、「いいよいいよ、そんなことしてくれなくてもさあ、大丈夫だよ」と慌てて取り繕う部長の姿が、本当に悲しかった。
後輩の女子を社内の接待要員として使ったあげく、部長にあんなかわいそうな思いをさせることになるなんて、多分男性の先輩社員は思ってもいなかったのだろうけど。
「これくらいのセクハラは許される」
あとこれはくりかえし言っていることですけれど、もう飲み会で「エロ担当の女性」をありがたがる文化、やめませんか。
「エロ担当の女性」はけっこうどこにでもいる、というより「各コミュニティにおいて誰かがその役割を背負わされている」の方が正しくて、男性だけでなく女性までもが「あの子は多少のセクハラや下ネタはOK」だと認識している女性って、誰でも心当たりがあるんじゃないかと思うんですよ。
私の友人にもそういう役割の女性が何人かいて、聞くと「下ネタで盛り上がるのが楽しい」と言う人や「ちやほやしてもらえるから嫌じゃない」人もいれば、中には「拒否すれば場が白けるので仕方なく受け入れている」という人もいます。そして「他の女性がセクハラされないようにスケープゴートの役割をしている」と考えている人もいるのですが、実際は「エロ担当の女性」がいても、他の女性へのセクハラの抑止力にはならないばかりか、二次被害を生み出すことにつながっていると思うのです。