いまから5年前のきょう、2012年4月14日、新東名高速道路(第二東海自動車道横浜名古屋線)のうち御殿場JCT~三ケ日JCT間の約162キロが開通した。新東名は神奈川県海老名市から愛知県豊田市にいたる約254キロを結ぶ計画で、全体の約6割にあたる区間が一気に先行開通したことになる。
新東名高速道路はその名のとおり、既存の東名高速道路の機能を補完するため、1989年に基本計画が策定され、95年に着工する。東名は首都圏と名古屋圏を結ぶ大動脈だけに、混雑が常態化していた。そのため、新東名の建設にはまず、東名とダブルネットワーク化して、渋滞を緩和させるという目的があった。また、東名の老朽化にともなう補修・改良工事、さらに事故・地震などの災害時における代替輸送路としての役割も期待された。実際、開通の翌年、2013年10月に台風26号で、東名の沿岸区間が高波により通行止めになったときには、新東名が迂回路として機能している。
新東名の道路設計にあたっては、自動車の高速走行時の快適性や安全性が追求され、カーブや坂道をゆるやかにして直線に近づけた。そのため高架橋やトンネルの占める割合も、東名とくらべて高い。筆者が先行開通後まもなく、高速バスで初めて新東名を利用したときも、高架橋からの車窓の眺めのよさがまず印象に残った。以後も、新東名経由で何度となく東京~名古屋間を往復しているが、東名経由とくらべると、バスがほぼ定刻どおり到着することがあきらかに多い。それというのも、距離が東名経由より10キロ短縮したことに加え、やはり渋滞に巻き込まれることが減ったからだろう。
昨年2月13日には新東名の浜松いなさJCT~豊田東JCT間が開通、名古屋側の区間が完成した。同区間の開通後11ヵ月間における東名・新東名での渋滞は、開通前の同じ期間にくらべ、じつに約9割減少したという(国土交通省中部地方整備局・中日本高速道路株式会社名古屋支社「新東名高速道路(浜松いなさJCT~豊田東JCT)のストック効果」)。
残る東京側の区間も、まず海老名南JCT~厚木南間が今年度中の開通をめざして現在建設が進む。以後、西へ延びる形で、2018年度には厚木南~伊勢原北間、そして2020年度には伊勢原北~秦野~御殿場JCT間が完成し、全線が開通する予定である。