今秋、突如として発表されたAppleの完全ワイヤレスイヤフォン「AirPods Pro」。従来のAirPodsとは異なるカナル型(密閉型)を採用し、強力なノイズキャンセリングを搭載したこの製品は、実売3万円強と決して安くない価格にも関わらず、今もなお入荷まで1ヶ月待ちという人気が続いています。

 オープン型(開放型)のAirPodsがいまいち合わず、長らく他社のカナル型を使っていた筆者も、12月に入ってこの「AirPods Pro」をようやく入手できました。今回は従来のAirPodsや、ほかのカナル型製品との違いを中心に、本製品のよいところ、そうでないところをチェックしていきます。

「AirPods Pro」。従来モデルと異なりカナル型を採用していることが特徴です。右はiPhone 11 Pro Max

耳から脱落しにくい形に改良! 装着時の圧迫感も少なめに

 本製品の外観は従来と同じく、ボディから細長い棒が伸びる、俗に「うどん」などと称される形状を踏襲していますが、そのスティック部は、従来よりかなり短くなっています。このスティック部は再生や一時停止、前の曲や次の曲へ移動するための操作インターフェイスになっており、両サイドからつまんで操作します。

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本体外観。楕円形のボディと、下に伸びたスティック状の部品が特徴です

 さて、本製品が従来のAirPodsと最も異なるのは、耳の穴にすっぽりとはまる、カナル型の構造を採用していることです。従来のAirPodsは、耳に引っ掛けるだけのオープン型と呼ばれる構造で、圧迫感こそないものの、耳の形状によっては簡単に落下してしまう欠点がありました。

スティック部は従来のAirPods(右)と比べるとかなり短く、見た目の特異さも緩和されています
従来のAirPods(右)との比較。本体形状の変更にともないケースは横長になっています

 これは耳の形状にも依存しているようで、筆者の場合は左耳は問題なく、右耳だけは頻繁に落下するなど、左右で大きな違いがありました。この落下しやすい耳の形状の持ち主は決して少なくないようで、そのせいかAirPodsの評価は、筆者が知る限り完全に二分されていた印象があります。

ケースは充電器を兼ねており、1回の充電で最大4.5時間の再生が行なえます。実際使った限りではもう少し短い印象です

 しかし本製品は、カナル型の採用で耳にぴったりフィットする構造になっており、立ったり座ったりはもちろん、多少走ったり、またそのままベッドに横になっても、脱落することはありません。他社のカナル型と同等と言ってしまえばそれまでなのですが、従来のAirPodsとはまったく違った装用感です。

実際に装着した様子。従来モデル(右)に比べると耳の外に飛び出る部分が少ないのが特徴です

 ちなみに他社のカナル型完全ワイヤレスイヤフォンは、一時停止やスキップなどの操作を行う際、内側に向かって押し込むように操作することが多く、耳の奥にイヤーピースが入り込んでいく格好になり、圧迫感を感じることもしばしばでした。しかし本製品は、耳の外に飛び出たスティック部をつまんで操作するため、そうした問題もありません。

操作はスティック部を両サイドからつまんで行います。内側に押し込むように操作する他社の完全ワイヤレスイヤフォン(右)のような圧迫感はありません
3種類のイヤーピースが同梱されており、耳の穴の径に合わせて交換できます。ちなみに専用品で、市販の汎用イヤーピースは使えません