Q 「問題ないです」という返事に手応えを感じられない
グラフィックデザイン(主に広告)の仕事をしています。最近、率直にいって自分がやった仕事に手応えがありません。納品したときにクライアントや代理店の担当者からいただく返事は、だいたい「問題ないです」。問題ないのだからいいのかもしれませんが、もうすこし別の言い方もされたいです。たまには問題あるものを納品した方がよいのでしょうか。(30代・女性・デザイナー)
A 違う答えが出る誘導のテクニックを……
私も原稿を描いて納品したら「問題ないです」とか「これで結構です」とかいう返事をもらうことがありますが、やっぱりなかなか寂しい物ですね。問題などあるはずないのであって、(あるときもあるが)孤独な中でなかなか楽しく感じられるように描いたのであるから、もっと、もう一言欲しいなとか思うこともあります。だからといって問題のあるものを納品したら、問題になって面倒なことになりますね。
これは納品した仕事の内容というよりは、むしろ受け取る人とのコミュニケーションの温度差でしょうか。人とのちょっとしたやり取りででも必ず良いひとことがさっと出る人がいます。
「そういえば、こないだの原稿、先方の社長さんがすごく喜んでいて、切り抜いて貼っているって言ってたよ」とか「背景の色を変えて文字がぐっといい感じになりましたね、ウキウキします」とか。
その言葉はただのリップサービスや気分をよくするだけのものではなく、受け取った人からの「きちんと見ている」「しっかり感じ取っている」というサインも含まれている気がします。
デザインや原稿のやりとりも、今は直接会うよりメールですませることが多いので、テキストだけのやり取りの中で相手にいろいろなことを伝えるにはちょっとした言葉が、思っているより大きな意味を持つのだと改めて感じました。
相手がそのことに無関心で「問題ないんだからそれでいいんだろ」と思っている人の場合、やりすごすしかないようなのですが、それだと状況が変わらないので「ここを変えたのですが、前の方とどちらがお好きですか?」などと尋ねて見るといいかもしれません。「ここを変えたのですが、大丈夫ですか?」というと、答えは間違いなく「問題ないです」となるから、それは避けるように。違う答えが出てくるように誘導のテクニックを磨いて下さい。
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