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その地に根付いて、育つ、新しい本屋紀伊國屋書店武蔵小杉店

2015/02/14

genre : エンタメ, 読書

note

「紀伊國屋書店」への期待と今後

洋書とその翻訳、雑貨を並列に販売。

 開店時のコンセプトとして、「新しい街に開かれる新しい紀伊國屋書店」「世界をつなぐ、紀伊國屋書店」を掲げている。紀伊國屋の海外ネットワークを活かし、洋書や雑貨のバリエーションも豊富だ。雑貨は、『老人と海』や『宝島』など名作をモチーフにしたTシャツ、地図やスイーツをデザインしたブックカバーやトートバッグなど、書籍に関連するものを中心に、ユニークなセレクションになっている。商品はニューヨークやロンドンの紀伊國屋スタッフと一緒に選び、紀伊國屋書店洋書部門を通じて輸入している。

New York、Singaporeと並んで、BOOKS KINOKUNIYA TOKYO(新宿南店洋書売り場)のランキング。
ソーシャルデザインの棚。

 スペースをしっかり取り、売れ行き好調のジャンルに対して、文芸書、理工書、人文・社会、ビジネス書などは、品揃えもスペースも限られている。約300坪という広さは、新宿本店や新宿南店といった旗艦店舗と比べてはならないし、カフェやキッズスペースを除くとららぽーと横浜店や横浜店よりも小さい。「紀伊國屋書店」を期待して来店するお客様に対して専門的な書籍を提供するだけの充分な広さはないという。専門書については、新宿本店や横浜店との社内定期便を活用してすぐに取り寄せするなど、店頭在庫を置かずに割り切っている。ビジネス書では新宿南店でも手がけていたソーシャルデザインの棚、理工書では『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』をはじめとしたビジュアル中心のものなど、ジャンルを絞って置いているようだ。

 本好きの期待に応える重厚な書店にする選択もあったかもしれない。セレクトショップのように尖った選書をすれば喜ぶ人もいるだろう。だが、限られたスペースの中で、地元の方がファミリーで来店したときに求める本があって、ショッピングの合間に本屋に立ち寄って1冊2冊買っていく、そんな場として、まず第一歩を踏み出したと言えるだろう。

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