カレーにも山椒粉を振りかけてみよう
自家製のミニカレー(300円)を注文した。ターメリック色のカレーだ。ここにも山椒粉やつけ汁を入れてそば屋のカレー風にして食べていく。「おか田」で食べていると、なんだか、楽しい雰囲気になってくるのだから不思議である。
もちろん、つけ天そば以外のあたたかいかき揚げそば(420円)、きつねとタヌキが入った鴨そば(560円)、ミニ天丼がついたかき揚げ丼セット(550円)なども人気だし、各種冷しぶっかけそばも一年中食べることができる。また、春菊天は個人的にはイチオシ、絶品だ。
大将・岡田さんは元ガラス職人だった!
「立食蕎麦処おか田」の大将、岡田一利さんは、小学生の頃、谷中銀座商店街あたりで育ったそうだ。「夕やけだんだん」あたりでいつもワルガキたちと遊んでいたそうだ。そのだんだんの階段を下ったすぐ左に「初音」というおじいさん二人でやっている小さな立ち食いそば屋があった。私も二度ほど食べたことがある。
岡田さんは大人がいつも食べている「初音」のそばを一度、食べてみたかったそうだ。そして、ある時、ワルガキと一緒にかけそば代150円を握りしめて食べに行った。
その時に食べたかけそばの味が忘れられず、いつかそば屋をやってみたいと考えるようになっていったという。
大人になっても、ガラス職人などの仕事をしながら、駅そばで徹夜のバイトをしながら修業を続け、2008年にようやく「立食蕎麦処おか田」を開業した。
ある時、高齢のご夫婦が「つけ天そば」って珍しいからと、土曜日の昼下がりにぶらっと店に来て食べて行かれ、「こんなにうまいつけ天そばは食べたことがない」と感激して店を後にしていったそうだ。人気化したのはその後からだそうで、あのご夫婦がお客さんを呼んできてくれたんだといつも感謝しているそうだ。
また「立食蕎麦処おか田」につけ天そばを食べに行かないと、とたまに思うわけである。
写真=坂崎仁紀
立食蕎麦処おか田
中央区日本橋本町4-15-10
営業時間
月~金 7:00-15:00
土 7:00-14:30
休 日祝、第1・第3土