毎年恒例の「新入社員のタイプ」のこじつけ感
季節ネタと言えば、毎年3月に発表される「新入社員のタイプ」がある。公益財団法人「日本生産性本部」が、新入社員の特徴を例えて発表するアレ。これを各紙が報道する。
今年は「キャラクター捕獲ゲーム型」。去年ヒットした「ポケモンGO」のことだ。
《スマホ片手に街を歩き回った就活風景が、かの人気ゲームを連想させたか。いわく、売り手市場でキャラ(就職先)は次々出てくるが、レアキャラ(優良企業)を捕まえるのはやはり難しい、と。》(中日新聞夕刊コラム・夕歩道・4月4日)
それにしてもこじつけっぽい。私は2年前にラジオ番組で「誰がどうやって決めているのか?」と「日本生産性本部」に聞いてみたことがある。すると「あくまで商品で例えるのは後付け。現在の大学4年生に関するデータを集め、キャラクターを絞り込み、最後に外部の8人の有識者が商品やモノで例える」という。
でも過去には「消せるボールペン型」「ロボット掃除機型」や「形態安定シャツ型」というのがズラズラ。おじさんに届いたカタカナやモノに無理やり落とし込んでいる気がする。
なので、2年前の時点で「来年(2016年)はきっと“ドローン型”だろう」と番組で予想した。
《何かのきっかけですぐに落下(退社)するモロさがある。上司の操縦が大事》などの理由を勝手に考えた。
すると昨年春に発表されたのは見事に「ドローン型新入社員」だったのである!
正式な理由の一部はこちら。
《さらなる技術革新(スキルアップ)によって、様々な場面での貢献が期待できる。(略)なお夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行は規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量(ワークライフバランスへの配慮や適性の見極め)も必要。》
私の適当な予想理由と大体同じ。やはり、おじさんにも届いた「新しい」を探せばよいのだ。
来年の「新入社員タイプ」は……
ということで来年3月に発表される新入社員型を予想しておく。
ズバリ「AI型新入社員」だろう。「仕事は抜群にできるがコミュニケーションをとるのがまだまだ」というような理由がつくはずだ。新聞各紙が待ってましたとばかりに報じそう。
そもそもこれをやり始めた理由を「日本生産性本部」に尋ねると「入社式にこのフレーズを使ってくれるように」「新入社員と話すキッカケに」と言っていた。おじさんによるおじさんのための若者ネタなのだ。
来年の春がもう楽しみだ。