ホテル評論家として“ホテル”と名の付く施設に日々泊まりまくっている筆者が、連休中に役に立つ「ホテル予約術」を伝授します。
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予約が取りにくいビジネスホテル
日々ホテルを予約し宿泊しているが、2014年の春頃から予約が取りにくくなった記憶がある。2015年に入るとさらに顕著になり料金の高騰を実感。過去に例のないレートを見たときには辟易したものだ。料金が高騰したというイメージは、そもそもある程度の料金帯である高級ホテルよりも、元々安価であったビジネスホテルで強くなった。ホテルの予約がとれないという声と共に、高くて泊まれないという不満も噴出。これまでなら8,000円と一般的な出張旅費規程の範囲内だったホテルが、1万5,000円や2万円にまで上昇するのだから困惑の声が上がるのも当然だろう。
これは数値にもあらわれている。観光庁の統計によると、2015年1月~3月期のビジネスホテルの稼働率は東京都で85.5パーセント、大阪府で85.3パーセントと、統計をとりはじめた2010年以降で過去最高を記録した。要因は、円安やビザ発給の要件緩和により、訪日外国人客が増加したことだ。2014年度は約1,341万人が日本を訪れ、インバウンドの延べ宿泊者数は約4,482万人と、2013年度から33.8%増えたというからホテルも足りなくなるわけだ。2016年に入り多少緩和されたものの、これは統計に出ない民泊やクルーズ船の影響ともいわれ、訪日外国人客の数は減少したわけではない。
ビジネスホテルといえば、もっとも進化著しいホテルのカテゴリー。大手チェーンが競合し、各ホテルともに清潔感や安全性、利便性の追求が光る。最近では大手チェーンに追いつけ追い越せと、地方の小規模チェーンや独立系のチェーンも独自のコンセプトを打ち出し進化を続けている。そんなビジネスホテルはインバウンドにも大好評。国内では料金が高騰している印象であるが、外国人からみると安いという。SNSなどを通した自国での口コミでさらに人気が上昇している。
繁閑差はあるものの、特に都市部のホテル予約はいまだ困難であるという状況は変わっていない。今回は、リーズナブルにホテルの予約がとれない時、筆者が実行している対処術を紹介したい。
1.予約サイトは「マイナーサイト」もチェック
ホテル予約の定番となった予約サイト。オンライン上の旅行会社という役割から、OTA(Online Travel Agency)と言われる。掲載施設数の多さでは、「楽天トラベル」や「じゃらん」といった大手が有利だが、利用者も多いので繁忙期には競争率が高いともいえるだろう。そこで、あまり知られていないマイナーサイトにも注目したい。意外に空室が見つけられることがある。ホテルの方に話を聞くと「サイトコントローラーなどの導入システムにもよるが、タイミングによってはマイナーなOTAの客室が残ることもある」という。マイナーサイトは最近おなじみの“料金比較サイト”に多く掲載されているので参照すると良いだろう。サイト間の料金差も確認できるので便利だ。