先生たちによる密かな連携活動が始まった
じつは先月末、先生たちによる密かな連携活動が、新たに立ち上げられた。
「部活改革ネットワーク」(@net_teachers_jp )という組織で、現在50名近くの教員が登録している。部活動問題に関心のある全国の教員をつなぎ、情報と知恵と戦略を共有し、学校現場からの部活動改革を目指している。
「部活改革ネットワーク」はTwitterを基盤に活動を展開する。代表らごく数名のアカウント以外は、誰がそこに関わっているかさえわからない。きわめて匿名性の高いネットワークである。
匿名性を高くする理由は、私が過日におこなった、部活改革ネットワーク全国代表を務める斉藤ひでみ氏(@kimamanigo0815)へのインタビューから、よく見えてくる。
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内田:なぜいまネットワークを立ち上げたのでしょうか。
斉藤:部活問題についてこれだけ世論が高まっているけど、その一方でじつは職員室では、ぜんぜん議論がないんです。世論とは対照的に、職員室では部活問題は存在しない。部活を熱心に指導して当たり前の文化だから、部活問題はタブーなんですよ。
(拙稿「部活問題 教員の全国ネット始動 中学校の部活動で勤務時間大幅増の現実」)
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「職員室では部活問題は存在しない」「部活問題はタブー」とは、なかなか強烈な表現である。
部活を熱心に指導するのが当たり前という文化が、職員室にはある。夜遅くまで、土日も含めて指導に当たるのが、熱心で生徒思いの先生と評価されるのだろう。このなかにあっては、「部活を指導したくない」と言おうものなら、教師失格のレッテルが貼られるだけである。
先生たちがいま机の片隅に貼っているレッドシールは、そうした職員室文化への赤信号のように見えてくる。