親の残した家が空き家になって困っている子供が増えている。

 子供と言っても、今の日本は超長寿社会。親が80歳代の家はごく普通、90歳を超える親を持つ子供も増えた。だから子供といってもその年齢は50歳代後半から60歳代にもなる。

家が処分できない最大の原因は「親が残した家財道具」

 空き家はなぜ放置されるのか、空き家に関するアンケート調査などを紐解くと、非常に多くの回答に「家の中に親が残していった家財道具などの整理ができず、途方に暮れている」というものがある。

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 家の中を片付けない限り、賃貸に出そうにも、あるいは中古住宅として売却に出そうにも「準備が整わない」ことになる。空き家の多くが、処方箋を施す前にすべき「後片付け」が出来ておらず、スタートラインにも立てていないのだ。

 昔は、親が60歳代から70歳代で亡くなった。子供も、まだ多くが40歳代。家の後片付けをするのにも体力的に余裕があった。ところが、60歳近くになろうものなら、自分たちも体のあちこちに不具合が生じ始め、さて実家の後片付けといっても体がいうことをきかなくなっているのだ。

膨大な量の家財道具に途方に暮れる「歳を取った子供」たち

 かてて加えて、親が長寿になったということは、家財道具が年を追うごとにどんどん増えていることになる。認知症などを患って、必要のない食品や健康器具、衣服などを大量に買い込んでしまっているケースもある。

 残された膨大な量の家財道具を眼前にして途方に暮れるのがすでに「歳を取った子供」の姿である。

子供から親に「家を処分したい」とは言い出せないもの ©iStock.com

 こんな状態で家を子供に相続させる親になりたくなければ、生前でまだ元気なうちに次にあげる5つのことをしておいていただきたい。