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「特権を手放すつもりはない」ヘンリー王子とメーガン妃の“王室離脱” 女王への「とんでもない裏切り」とは

2020/01/12

genre : ニュース, 国際

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バッキンガム宮殿の関係者は「とんでもない裏切りだ」

 ちなみにヘンリー王子の資産は3000万ポンド(約42億9000万円)だ。確かに英国の大衆紙は辛辣で意地悪だが、偽善の仮面を剥ぎ、偽善者の説明の矛盾を突くからこそ多くの読者に支持されている。だから大衆紙4紙がロイヤル・ロタのメンバーとして認められているのだ。

 メーガン妃が当て込む収入はスピーチ料。世界のトップスピーカーは1回で最大50万ドル(約5500万円)を荒稼ぎする。2人はこの2~3週間でTシャツ、履物、帽子、コート、ジャケット、パジャマ、書籍、雑誌から教材に至るまで100以上の商品について「サセックスロイヤル」のブランドで商標登録したと報じられている。

©AFP/AFLO

 さらにメディアを選別すれば2人は権利を独占的に販売できるようになる。こうした利権の源はメーガン妃とヘンリー王子に全てを負うのではなく、エリザベス女王と英王室のご威光にあるのは言うまでもあるまい。

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 このためバッキンガム宮殿の関係者は大衆紙に「何から何までメーガン妃の言うことを聞いてきたのに、とんでもない裏切りだ」「どうして何の非もないエリザベス女王にこんなひどいマネをする」「こんなに虫の良い話はない。彼女は良いとこ取りのマスタークラスだ」と腹の底から怒りをぶちまけている。

「幸せを感じなければなりません」と訴えたメーガン妃

 昨年10月、メーガン妃は民放ITVのドキュメンタリー番組で「何かを生き抜くだけでは十分ではないでしょ? 成功しなければなりません。幸せを感じなければなりません」と訴え、「感情を抑えるというイギリス流の繊細さに適応しようと本当に努力しましたが、私の内面を傷つけました」と悲劇のヒロインを演出した。

 ヘンリー王子は「兄弟には良い日もあれば悪い日もある」とウィリアム王子との間に溝ができていることを初めて認めた。そして2人とアーチーちゃんはこのクリスマスを、英王室伝統のサンドリンガムでエリザベス女王と一緒にではなく、カナダのバンクーバー島で過ごした。

©AP/AFLO

 ヘンリー王子とメーガン妃のカップルと英王室が元の鞘に収まることはもはや考えられない。メーガン妃が一方的に突き付けた条件を英王室がのむとも思えない。メーガン妃の野心に絡め取られたヘンリー王子は英王室での役割を失う恐れが膨らむ。アンドルー王子を公務から追放したばかりの英王室にとっては大きな痛手になるのは間違いない。

 日本の皇室では、秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの結婚延期が発表されてから今年の2月6日で丸2年になる。このタイミングで眞子さまが国民に向けて説明するのではないかとの見方が出ている。民間人と王族や皇族の結婚はどこの国でも難しい。いくら慎重に調べても結婚してみないと分からないことはたくさんある。

 しかし大切なのは2人の気持ちである。今回のメーガン妃独立宣言騒動で唯一学ぶことがあるとすれば、その是非はともかくお人好しのヘンリー王子が全面的にメーガン妃を信じて支持していることだ。愛は盲目とも言うが、問題は、愛と家族のために王位継承権、そして王族や皇族としての特権をきれいさっぱり捨てる覚悟があるかどうかだ。

【英王室の王位継承順位】
(1)チャールズ皇太子
(2)ウィリアム王子
(3)ジョージ王子
(4)シャーロット王女
(5)ルイ王子
(6)ヘンリー王子
(7)アーチーちゃん
(8)アンドルー王子

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