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2015/03/07

genre : エンタメ, 読書

みんなに開かれた、ごく普通の本屋さん

 店内に入ってまず思ったのが、あたたかいということ。ほこりっぽい道を歩いてきて、ほっとする空間だ。明るい照明、清潔で整った店内、有線放送らしい音楽が静かに流れている。取材日は、土曜日の午後ということもあって何人かのお客様がいらした。雑誌をめくっている方、レシピ本の棚を見ている方、コミックスを選んでいる中学生、レジで取り寄せの書籍について相談している方がいる。

文具売り場。取材時(1月末)はバレンタインギフトコーナーがあった。
雑誌売り場。最近市内に増えたというコンビニに押されて雑誌の売上げは影響が出ているという。

 震災関係の本は、文具売り場に震災関連グッズと合わせて陳列している。以前、もっと道路沿いに仮設店舗があったときは、視察ツアーなどでいらっしゃる県外の方が多く、記録写真集のような本が売れたというが、今は落ち着いて、震災関連本の売り場もだいぶ縮小している。

震災関連書。奇跡の一本松をテーマにした絵本も。

 品揃えは、普通の町の本屋さんだ。雑誌、文庫、実用書、コミックが充実しており、新刊も話題書もバランスよく入っている。伊東会長によると、市内に一軒だけの本屋で何かに特化した店にはしづらいため、お客様の反応を見ながら、少しずつそれに応えて売り場を作っているとのこと。お客様は、お年寄りから主婦、小中学生まで幅広い。時代小説やレシピ本、ライトノベル、コミックスが充実しているのも、そういった声に応えていった結果だろう。コミックスやライトノベルの棚で見ると、まずは補充や整頓がしっかりされていて、背表紙が揃っていて気持ちいい。「このマンガがすごい」、「このライトノベルがすごい」などのランキング、アニメ化・ドラマ化作品の原作、人気作のグッズ展開など、町の本屋としてできることを丁寧にしているのも好感が持てる。

文庫コーナー。特に時代小説は充実の品揃え。

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