なぜ「メディア企業」と見なされることを嫌うのか?
さらに問題なのは、フェイスブックやグーグルが、フェイクニュースかどうか判断する責任を避けていることだという。ニュースメディアとして、内容の客観性やジャーナリスト倫理にのっとった報道を行うことは労力と費用がかかる。だから、フェイスブックやグーグルはメディア企業と見なされることを嫌うのだ。
「我々が改めて心に留めるべきは、GAFAの唯一のミッションは金儲けだということです。編集権限やセーフガードを機能させ、ヘイト活動家が発信した、内容に問題があるコンテンツを排除すること。それはクリック数を減らし、多額の収益を失わせます。フェイスブックにはそうしたことを行うインセンティブが、全くないのです」
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さらに、GAFAがもたらしたイノベーションの行き詰まりなどのデメリット、個人情報の悪用が問題となった、ケンブリッジ・アナリティカ事件などに見る国家のGAFAへの対応、また、GAFA同士の食い合いや、次世代GAFAと目される中国のBAT(検索エンジンの百度〈バイドウ〉、IT企業の阿里巴巴〈アリババ〉、SNSの騰訊(テンセント))の未来図など、ギャロウェイ氏が語るGAFAの功罪とGAFA後の世界「GAFAの拝金主義が分断を煽る」は、「文藝春秋」2月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されている。
生活の大部分をGAFAに依存するいまこそ、GAFAの正体を見定めるときではないだろうか。
GAFAの拝金主義が分断を煽る
【文藝春秋 目次】「消費税ゼロ」で日本は甦る<政策論文>山本太郎/<総力特集>2020年の「羅針盤」/わが友中曽根康弘 渡辺恒雄
2020年2月号
2020年1月10日 発売
特別定価980円(税込)