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国内FA権を取得した大和の年俸はどうなるのか

 そんな中、去る5月16日付けの一部スポーツ紙にて、その大和についてのニュースが報じられた。なんでも、国内FA権を取得した大和を他球団に流出させないよう、阪神・坂井信也オーナーが厳命したという。大和が不動のレギュラーでないことを考えれば、これは異例と言える。球団のトップがそれだけ高く評価しているわけだから、やはり彼はレギュラーと同格か、それ以上の存在と見なされているのだろう。稀有なスーパーサブだ。

 しかし、である。

 それならそれで、大和の年俸も今季5000万円(推定)から跳ね上がるのだろうか? たとえば今季の彼がこのままレギュラーとして扱われず、最終的に規定打席数に達しないなど、あくまで数字上は控え選手の成績だった場合、阪神球団は大和にどんな金額を提示するのか。一般的にプロ野球の世界では、レギュラーにならないと年俸も上がらず、高い評価を受けにくいという現実がある。実際、出場試合数や打席数、安打数、守備機会数などの明確な数字を積み重ねたほうが、単純計算として年俸に反映しやすいだろう。

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 そう思うと、私は余計なお世話を承知で、大和の年俸問題を無性に気にしてしまう。チームにとっての存在価値がレギュラークラスと同等であるにもかかわらず、年俸面は控え選手のそれになってしまうなら、さすがに道理に合わない。大和の場合、たとえスタメンで出ていなかったとしても、規定打席数に達しなかったとしても、複数のグラブを携えながらベンチで待機しているだけで、金本阪神にとっては強力な武器になるのだから。

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