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高校時代9番セカンドからプロ野球選手に 嶋基宏の“ちょっとの頑張り”

文春野球コラム ウィンターリーグ2019

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忘れもしない昨シーズンの出来事

 その夜ホテルの部屋で一人、彼の言葉を思い返した。

「大学2年生の時かなぁ。先輩を見に来た広島のスカウトに頑張ればプロ野球選手になれるかもっていわれてちょっと頑張りましたねっ」

 ちょっと頑張る?

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 忘れもしない昨シーズン8月3日のファイターズ戦は5時間9分の死闘、延長12回0-0の引き分けに終わった。23時半までのお店を予約していた僕がレモン酎ハイ1杯で店を出たことなんてどうだっていい、次の日球団からのお仕事で朝10時前に球場についた僕は、職員の方から新しい観客席が出来たからとライトポール近くのその場所に案内してもらった。17時からの試合という事もあり、誰も来ていないスタジアムを見てくださいと言われたが、僕のすぐそばのポールからレフトポールへ、たった一人でポール間ダッシュを延々と繰り返す上半身裸の男がいた。それが嶋基宏だったよ。

2020年シーズンからは東京ヤクルトスワローズでプレーする嶋基宏 ©文藝春秋

 東北楽天ゴールデンイーグルスはきっと強くなります。あなたの背中を目に焼き付けた選手達がいるのだから。そしてセ・リーグで躍動するあなたをこれからも応援させてください。

 またちょっと頑張るんだろうなぁ。

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