「民主化」によって内戦や虐殺が起こる可能性がある
つまり、現状において中国社会を統治できるのは、「中国共産党」以外になく、共産党独裁政権が崩壊すれば、中国は無秩序状態に陥る、というのである。
「このような崩壊では、中国全体が統治の空白状態に陥り、内乱が起き、長期にわたり秩序が回復できなくなります。
ここで大問題となるのが、『民族』です。現在は武力で制圧している『民族』同士の対立や憎悪が一気に噴き出し、各民族の独立運動が巻き上がり、『民族間の衝突』と『国家の分裂』が必ず起きるでしょう。北京政府は、チベット族やウイグル族など少数民族を弾圧してきましたが、『民族問題』は、中国共産党がもたらした最も悪しき所産の一つであり、そのツケは、中共独裁政権が崩壊した時に必ず回ってくるのです。
中国の『民主化』が進む場合でも同じことが言えます。『民族問題』が解消されなければ、『民主化』が進んでも、という以上に、『民主化』が進めば進むほど、これまで独裁体制によって抑え込まれていた『民族対立』が激化し、内戦や虐殺が起こる可能性があるからです。その確率は決して低くなく、世界はこうした事態も想定しておかなければなりません」
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王力雄氏が中国の未来をシミュレーションした「共産党独裁崩壊で中国は分裂する」の全文は、「文藝春秋」2月号に掲載されている。
共産党独裁崩壊で中国は分裂する
【文藝春秋 目次】「消費税ゼロ」で日本は甦る<政策論文>山本太郎/<総力特集>2020年の「羅針盤」/わが友中曽根康弘 渡辺恒雄
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