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交流戦があれば優勝していたかもしれない2003年ジャイアンツ

 せっかく死亡遊戯さんとのコラム交流戦、ここで少しだけ巨人の話題にも触れてみたいと思う。3位に終わった2003年原ジャイアンツ、この年の巨人は「選手起用の苦悩」と戦い続けたシーズンであったように思う。いや、ハタから見ていてそう感じるだけだったのかもしれないが。

 というのも清原和博選手とペタジーニ選手のポジションが被っており、必然的に清原選手をファーストで、ペタジーニ選手を外野で起用するしかなかったのだ。斉藤宜之選手が内野、外野とユーティリティな活躍を見せてはいたが、やはり毎試合「得点への期待値」と「失点へのリスク」を秤にかけて苦悩の末に選手を起用していた事だろう。

 もしこの年に36試合のセ・パ交流戦があれば、いやせめて現在と同じく18試合でもセ・パ交流戦があればDHが使え、清原・ペタジーニを容易に併用出来たであろう巨人の勝率は大きく向上していたのかもしれない。展開によってはリーグ優勝もありえたのではないだろうか。

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 そう考えるとDH制が無い分、選手の起用についてはパ・リーグよりセ・リーグのほうが熟考を重ねオーダーを組んでいると思われる。しかし、毎試合行っている「得点への期待値」と「失点へのリスク」を天秤にかけるこの行為が、結果「戦術的層の厚み」を生み出しているとも言えるのではないだろうか。

 我々は選手が離脱した場合、その選手に匹敵する能力の選手が次々に出てくる、そういった「選手層の厚み」にばかり着目しがちである。しかし実は、時に戦術を少し変えてでも離脱選手の穴を埋める行為が必要なのではないだろうか。

 Bsで例えるなら守備の名手・安達了一選手が離脱した場合だ。代替えが効かず苦しい戦いを強いられるケースが多いが、それはUZR値的に安達選手に匹敵する遊撃手がいないからである。しかしWAR値で言えば、決して代替えが効かない事はない。その場合「失点へのリスク」が増幅する事を承知のうえで「得点への期待値」が大きくなるようオーダーを組めば良いと思うのだ。本来、10人で戦うパ・リーグ野球だからこそ「戦術的層の厚み」にも期待が持てるはずなのである。

 セ・パ交流戦が始まって13年目となる今シーズン。まだまだセ・リーグ球団から学ぶ事も多い。Bsにはセ・リーグ各球団から多くの知恵と戦術と、そして白星を頂戴しながら6月を戦って欲しいと思っている。

 そして交流戦が続くこの文春野球コラム。次回は阪神担当・山田隆道さんと対戦するタイミングであろうか。せっかく前項で岡田監督の名前もあがった事だし、文春野球コラムの関西ダービーにも期待して欲しい。自分は「駄筆へのリスク」と「HITへの期待値」を天秤にかけながら戦っていく事にしよう。

 しかし、MEGASTOPPERはセ・リーグだったのか。そうだったのか……。

※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/2791でHITボタンを押してください。

対戦中:VS 読売巨人軍(プロ野球死亡遊戯)

※対戦とは同時刻に記事をアップして24時間でのHIT数を競うものです。