教育無償化の財源をめぐる議論が白熱している。とりわけ注目を集めているのが、小泉進次郎衆院議員(36)を中心とする自民党の若手議員が今年3月に提言した「こども保険」だ。
企業と勤労者から集める社会保険料率をそれぞれ0.1~0.5%上乗せし、これを財源として現行の児童手当に月額5000円~25000円を増額して支給するという構想で、幼児教育や保育の実質的な無償化を目指している。
教育無償化の財源については、自民党内では「教育国債」の発行を主張する声も根強い。旗振り役となっているのは、安倍晋三首相に近い下村博文氏をはじめ、馳浩氏といった文教族だ。しかし、小泉氏は「教育国債の発行というのは案になっていない」と明確に反論する。理由はこうだ。
「2019年に消費税が10%に増税された場合、その一部は赤字国債の償還に充てられることになっています。赤字国債を償還するために増税をする一方で、新しい国債を発行することの整合性を、どう説明するのか」
財源として消費増税の増収分を充てるべきだとする意見もあるが、小泉氏はこう指摘する。
「10%へ増税した場合の増収分のうち、子育て支援の予算7000億円はすでにほぼ先食いしています。10%からさらに増税するにも、2019年以降の議論になってしまう。少子化対策が待ったなしの状況下で、消費税に頼るのは現実的ではありません」
また、使途が分かりにくい消費税に比べ、子どものための負担というのが明確になるのが、「こども保険」のメリットだという。
6月9日発売の月刊「文藝春秋」7月号では、小泉氏に加え、前厚労大臣で社会保障を熟知した田村憲久衆院議員(52)、大蔵省出身で財源論に精通した木原誠二衆院議員(47)による座談会を実施。「こども保険」のメリットや課題から、小泉氏が提唱する「人生100年時代」の制度設計に至るまで、三人による激論が掲載されている。