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これからの建築家は「コミュニケーター」である
いまオドゥンパザル近代美術館へ赴くと、館の内外ともに多くの人でにぎわっていて、設けられた木の階段に座り込んだり、熱心に立ち話をしていたり。すっかり人が留まり交流する場として定着している。
これは隈研吾さんのねらい通りだ。展示作品の観やすさなどもさることながら、美術館は人が集い出会う場所として機能すべしというのが、隈さんの美術館建築の根本思想である。
これからの建築家の役割は、建築作品を残すだけではなく、
「コミュニケーターであるべきだと思う」
とも隈さんは言う。建築を通して地域の人たちのコミュニケーションを促すこと。トルコのエスキシェヒルでも東京でも、隈研吾さんの手がけたあらゆる建築が担おうとする役割はそこにある。