昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

イーロン・マスク vs. ジェフ・ベゾス カリスマはなぜ宇宙を目指すのか?

マスクの「火星移住」、ベゾスの「月までAmazon」 構想

2017/06/16

マスクの「火星移住」、ベゾスの「月までAmazon」 構想はどんなもの?

 性格的には正反対なように見えるものの、ともに宇宙を目指し、そしてライバルになりつつある2人だが、大型ロケットや宇宙船の開発や、人工衛星の打ち上げビジネスでの躍進と対決にとどまらず、すでに次の段階を見据えた構想を明らかにしている。

 マスクは2016年9月に、火星をはじめとする太陽系のさまざまな天体への移住構想を発表。一度に100人が乗れる巨大なロケットと宇宙船を開発することを明らかにした。早ければ2022年に打ち上げを始め、40~100年かけて、火星に人口100万人規模の都市を築くという。

マスクが考えている火星や太陽系のさまざまな天体への移住を可能にする超巨大宇宙船の想像図 ©SpaceX

 一方のベゾスも、2020年代の中ごろまでに月に定期的に物資や人を運ぶ、Amazonのようなサービスを行う構想を発表。また「将来、月を人類が永住できる場所にしたい」とも語り、そのための巨大ロケットの開発も考えていることが明らかにされている。

 この2人の構想は、一見すると荒唐無稽にも思える。もちろん、実現には資金面をはじめ多くの困難があるだろうが、少なくとも技術的には決して不可能ではない、よく考えられたコンセプトに仕上がっている。

 打ち上げビジネスと同様に、彼らは月や火星進出へ向けてもしのぎを削ることになるだろうが、それは人類の宇宙進出を確実にし、なおかつ早めることにもなるだろう。

 1969年に「アポロ11号」が月に降り立ってから、まもなく半世紀。アポロ計画をモチーフにしたポルノグラフィティの『アポロ』が大ヒットしてからも20年近くが経とうとしているが、私たち人類はふたたび月に行くどころか、宇宙に進出してすらいない。しかしようやく、この対照的な2人のパイオニアによって、そんな未来が切り拓かれようとしている。