作家・鈴木涼美

「以前文春に『日経記者はAV女優だった!』って私のスクープを出された時、ちょうどこの本の刊行が決まってたんですよ。プロフィールでどこまで開示するか考えていた矢先、隠すという選択肢をゼロにして頂きまして(笑)。その後、文春砲がいかに素晴らしいかコラムで書きましたよ、半分嫌味でね!」

 そんな小誌にもゆかりのある作家・鈴木涼美さんの話題作『身体を売ったらサヨウナラ』がついに映画化された(7月1日より全国順次公開)。エリート学生でありつつ夜のおねえさんとして生きた濃密な日々が、柴田千紘主演で鮮烈な映像となった。

「元カレの家に夜中押しかけてってバスタオル姿になるシーンとか、私のエピソードそのままで面白かったですね(笑)。当時の私は目の前に欲しいものが転がってきた時に、5年後の自分がどうなるか頭をよぎらないという才能があったんです、思慮が浅くて。ホスト遊びで最高一晩350万円使ったこともありますよ。350万で3万円のお酒を買っていた自分はそこに何を上乗せして見てたんだろう? ホスト狂いの女の子達って現象として面白いし、歓楽街は1つの生き物みたいなんです」

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 日経新聞社在籍中に刊行し、高い評価を得たデビュー作『AV女優の社会学』の次をはるテーマは“ホストにハマる女子”なのだとか。

「90年代ギャルブームや援助交際を論じた社会論に、これまで私はピンとこなかったんですね。私なりの方法で、今の時代の空気感を切り取る言葉を見つけていきたい」

INFORMATION

映画『身体を売ったらサヨウナラ
7月1日より全国順次公開
http://www.exf.info/karasayo/