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獣神サンダー・ライガーが『世にも奇妙な物語』で学んだ「魅せる」ということ

“テレビっ子”獣神サンダー・ライガーが語るテレビのこと #3

note

丸山隆平が長州力に見せた、さりげない親切

――ライガーさんも最近でいうと、『レンタル救世主』に出演されました。ジャニーズWESTの藤井流星さんの父親役。今回はご自分の声でセリフもありましたよね。

ライガー ありましたね。でも僕からあんないい男が生まれないよ!(笑) 顔小さくて背は高くて、かっけぇーと思って。「俺の息子? 母親、誰よ!?」みたいな(笑)。

――第1話から「父親は世界的覆面レスラー」というセリフはありましたけど、本当にライガーさんが出てきたときはびっくりしました(笑)。これは結構早い段階でオファーがあったんですか。

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ライガー どれぐらいだったかなぁ? 脚本を書かれた方に、「僕はライガーさんのつもりで最初から書いてました」って言ってくださったので。カミさんと息子は僕が父親役ってことにブーブー言ってましたもんね。「(博多弁で)よかぁ、よかぁ。流星、よかぁー」って。

 

――あはは(笑)。

ライガー そうそう、ジャニーズでいうと、関ジャニ∞の丸山(隆平)さん! 僕が長州力さんとテレビに一緒に出た時に、長州さんがトイレに行きたいって突然言い始めたんですよ。僕はTBSの人間じゃないんで、トイレの場所なんかわからないじゃないですか。「え、トイレですか? えっと……」って困ってると、前を歩いていた丸山さんがクルっと振り向いて、「トイレだったらあそこの角を曲がってこっちにありますよ」って。親切なんですよ。わざわざ立ち止まって教えてくれたんです。

夜はニュース番組をはしごして、天気予報で小さな幸せを感じる

――いま、よく観るテレビ番組はありますか?

ライガー NHKのニュース(即答)。『ニュース7』から『ニュース845』、『ニュースウオッチ9』。それを観て途中から『報道ステーション』。それで『NEWS23』を見ながら就寝、みたいな感じ。

――じゃあ夜はずっとニュースを。

ライガー ニュース好きなんですよ、昔から。ニュースと天気予報。「明日雨かぁ……」とか「明日いい天気じゃん」とか。そういう小さな幸せが。

――ふふ(笑)。

ライガー いやでも、人間というのは「花鳥風月」なんだって。知ってる?(笑) そういうのに興味を持つようになるんだよ、花鳥風月。

――天気もそうですよね。

ライガー 言ってみればね。風とか月とか。そこに興味がいくようになる。

――ところで、お部屋にはいっぱいの怪獣フィギュアがありますが、作り始めたのはいつ頃からなんですか?

ライガー ガレージキットというのは、僕が新日本プロレスに入ってすぐの頃、蔵前の問屋街で買いました。その頃は国技館が両国ではなくて蔵前だったんです。蔵前国技館に行く時に、おもちゃ問屋みたいなのの前を通るんですよ。そこを横目で見たら、バルタン星人とか、ガメラとか、ゴジラとか、ウルトラマンの箱がえらい積んであるんです。「今でもこういうのあるんだ!」って。それまで(特撮から)ずっと離れてたから、もうだめですよ。火がつきました。ギャラの大半がガレージキットに(笑)。怪獣はたいがい粘土で作ってます。それを、樹脂で型を抜いて。白いやつは粘土で、色がついてるのは、紙粘土で作ったのを型取りして、樹脂で色を塗っている。向こうの机の上にあるのは、今作ってる最新作です。

製作中の作品は、1955年の『ゴジラの逆襲』ゴジラがアンギラスと戦ってるシーン

――ゴジラですか?

ライガー 1955年の『ゴジラの逆襲』。初代ゴジラの次のゴジラがアンギラスと戦ってるシーンを作ってるんですけど、まだまだ(完成は)全然先ですね。生意気言わせてもらったら、そのまんま作ってもそれは置物でしかない。「スゲー、生きてる、あっホントに戦ってるみたい!」っていうのをローアングルで見た時に表現できたらいいなと思って。だから作って、あっいいなと思っても、いやでもここはって思ったら、すぐまた削ってやり直すときもあります。だから1体作るのに半年とかかかるんです。オフを利用して作ってますから。普段は地方とかに行ってるから作れないので、逆にそれが帰ってきてまた新しい視線で見られるからいいんですよ。