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獣神サンダー・ライガーが『世にも奇妙な物語』で学んだ「魅せる」ということ

“テレビっ子”獣神サンダー・ライガーが語るテレビのこと #3

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素顔で、ちょっと髭とかつけて若干変装してやりたい役

――手先は元々器用だったんですか。

ライガー どうでしょう? 昔はおもちゃとかなんでも、僕らは応用して遊んでたんですよ。物がないから工夫して、こんな遊び方あるじゃんって。そういう工夫を今の子供よりはしてたかもしれないですね。

――特撮の番組とかには出たことってありますか。

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ライガー 特撮は河崎監督のやつとかはちょっと出させてもらいましたけど、本格的にはないですね。このキャラですからね。これで出たら目立ってしょうがない(笑)。だから変装して殺される役とかをやりたい。ウワァー殺されたーって(笑)。主役とかなんとかより、そういうのをやりたいです。

――それはマスクじゃなくて。

ライガー その時は素顔で。ちょっと髭とかつけて若干変装して。それでものすごく嫌な役なの。最後殺されて、みんながスカーッとするような。「ほれみろ、こいつどうせこんなやつ、ざまみろ!」って。テレビに向かって、晩酌でもやってるお父ちゃんがね、「ほれ殺された!」ぐらいの。そういうのやりたいんですよ。人騙して金儲けして。女の人を足蹴にして。「コラァ、たわけコラァー」って言って。最後に殺される。

――ヒーローではなくヒールを。

ライガー それは怪獣にもつながるんじゃないのかな。ヒーローなんかいっぱいいるじゃないですか、男前の人でスタイルも良くて。それは任せておけばいいんですよ。

――プロレスラーでいうと棚橋(弘至)さんが『仮面ライダー』に出てましたよね。

ライガー タナはさ、いい男だもん!

――それは羨ましかったですか?

ライガー いや、どっちかというとライダーを演るよりも怪獣の中に入りたい。

『プロフェッショナル』の職人の回、大好きです

――(※部屋に積まれている怪獣の本を見て)すごいですね、こういう本も揃ってるんですね。

 

ライガー 造形する時の資料ですね。1枚1枚、写真見て、背びれの形がこうなってるのか、とか。

――そうか、全方位がわからないといけないんですね。

ライガー そう、だから資料があればあるほどいいんです。ちょっとした角度で写ってないところが、ここには写ってるってこともあるし。だから結構資料は揃えますね。

――次は何を作ろうかなというのを、本をめくりながら何か思ったりとか。

ライガー なんかふっと浮かぶんですよ。あっ、あれ作りたいなって。

――職人的な感じですね。

ライガー いやいやいや、素人だからこそできるんですよ。計画的に作らなくても、納得いくまで作り込むことができる。だからほんとに今、じっくり時間をかけてやってますね。前に作った作品とかをみると、なんでこんなところ作ったんだろう、もっとこうすればよかったのにってものはいっぱいあります。だからその戒めを込めてこうやって古いものも置いているんです。

――戒めを込めて(笑)。ホントに職人ですよね。

ライガー 手を抜こうと思えばいくらでも抜けるじゃないですか。だからNHKの『プロフェッショナル』とかも大好きですよ。勉強になりますね。この間も、大工の棟梁さんの回は凄かった。NHK好きです、僕。

――『ウオッチ9』で天気予報を観た後に『プロフェッショナル』を観て……。

ライガー あぁいい流れですね。「花鳥風月ライガー」ですから!

 

獣神サンダー・ライガー/89年4月24日、東京ドームでの小林邦昭戦で獣神ライガーとしてデビュー。5月25日、馳浩を下して第9代IWGPジュニアヘビー級王座を初奪取。以降、同王座には歴代最多となる11度の戴冠を誇る。90年1月に獣神サンダー・ライガーに改名。IWGPジュニアタッグ(戴冠6回)やジュニア8冠王座など、国内外の団体問わず数多くのベルトを獲得。現在も“世界の獣神"として、絶大な人気を誇る。得意技はロメロ・スペシャル、垂直落下式ブレーンバスター、掌底、ライガーボム、空中胴締め落とし。170cm、95kg。

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写真=白澤正/文藝春秋

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