細身の体で上下黒のスーツを着こなすも、右手の袖口からはタトゥーの模様がのぞく。指にも指輪のようなタトゥー、口ひげやあごひげも生えている。米国から大麻を輸入し、大麻取締法違反と関税法違反の罪に問われた元五輪代表のプロスノーボーダー・国母和宏被告(31)は、懲役3年(執行猶予4年)の判決を言い渡されても微動だにしなかった。かつての彼らしい「失言」もなく終始無言を貫いた。

「14歳から北米で」。1月8日に東京地裁で開かれた初公判で大麻の使用時期を尋ねられ、国母被告は衝撃的な告白をした。

100回以上も使用できる分量

 判決によると、国母被告は2018年12月にプロスノーボーダーの後輩の男(有罪確定)らと共謀し、米国から大麻製品約57グラムを隠した国際スピード郵便を東京都内の後輩の男宛に発送、ロサンゼルス国際空港を経由し、同月31日に成田空港に到着させて密輸した。

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元五輪代表・国母被告に有罪 ©共同通信社

 国際郵便に入って密輸された大麻製品は約57グラムで100回以上も使用できる分量という。大麻が濃縮された粘性のもので10枚以上の紙にぬりこまれていた。専用の電子タバコを使用するなどして吸うもので通常の乾燥大麻よりもよく「効く」ため、常習者に好まれる。「大麻の薬理作用をもたらす成分が濃縮されたもの」として「同種事案と比較しても多量である」と村田千香子裁判官は判決で述べた。