8月14日は、俳優・鈴木保奈美の誕生日だ。ドラマでは今年に入って『対決』(NHK)で医大の理事、現在放送中の『一次元の挿し木』(読売テレビ・日本テレビ系)では世界的な生物学者と、社会的に地位のある女性をあいついで演じている。
1998年、とんねるずの石橋貴明と結婚を電撃発表すると、3児の母に。出産後、約12年にわたって芸能活動を休止していた理由は……。還暦を迎えた彼女の歩みを振り返る。(全3回の3回目)
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第一子出産後、専業主婦になった理由
鈴木保奈美が第一子を妊娠して真っ先に頭に思い浮かんだのは、「女優というのが頭から離れなければ、PTAはできないな」ということだったという。
子供を育てる以上は、おむつも買いに行くし、予防接種にも連れて行くし、学校に入ればPTAにも出かけて行かなければならない。もちろん、子育てと仕事を両立している女優は少なくないが、《私は役者である自分と、母親である自分を分けないとやっていけない。そう思って、専業主婦になることを決めました》とのちに振り返っている(『週刊現代』2011年1月29日号)。
こうして彼女は2000年公開の映画『いちげんさん』を最後に女優引退宣言をすると、表舞台から遠ざかった。
映画公開時、原作者の作家デビット・ゾペティとの対談でも、《私にとっては女優は何かの片手間にできる職業ではない》と強調し、ゾペティから、子供が育てばまた女優になっているのではないかと訊かれても、《やりたいことが女優とは限りませんよ(笑)。これが一番いい職業とは限らないし。ほかに面白いことを見つけるかも。べつに「鈴木保奈美は女優」と決めたくはないですからね》と返している(『コスモポリタン』2000年2月号)。
子育てのなかで学んだこと
その後、さらに2人の子供を儲け、子育てにてんてこ舞いの日々が続く。予想していたPTAの活動や近所づきあいなど、慣れないことの連続でうまくいかないこともあるなか、ママ友たちとの関係が心の支えになったという。
《子どもたちが小さい頃の、髪を振り乱してなりふり構わず、という場面をお互い知っているから、カッコつけられない。今となっては、そういう仲間がいてくれて、すごく幸せです》(『婦人公論』2015年11月24日号)
子育てのなかで学んだことはたくさんあった。たとえば、自分から引くということを、鈴木は恋愛でも仕事でも学べなかったが、子供に対しては同じ思考回路で議論や対話は成り立たないので、結局は親が折れるしかないと思い知ったという。

