今年も引っ越しシーズンが近づいてきました。進学や就職、転勤などで見知らぬ土地に移り住み、心機一転、新生活を始めるという方も多いでしょう。そんなとき、検討中の部屋や棟が事故物件か否かを見抜くには、どうすればいいのでしょうか。今回は、そうした場合に役立つ“テクニック”をご紹介しましょう。(全2回の1回目/後編に続く)
事故物件とは知らずに引っ越してしまうことも……
そもそもの前提として、不動産業者には宅建業法で「告知義務」が課されています。そのため、前の入居者がそこで自殺していたり、あるいはその部屋が殺人事件の現場になっていたとしたら、業者は契約が成立する前に、その旨を伝えなくてはいけません。ただ、それにもかかわらず、知らず知らずのうちに事故物件に引っ越してしまった、というケースも少なくないのです。たとえば、下記のような場合です。
(1)告知義務を無視し、事実を隠して部屋を貸し出す悪徳業者に当たってしまった場合
(2)自殺や殺人などが一定期間以上、過去の出来事である場合
(3)自殺や殺人などが、隣や真上・真下の部屋で起きていた場合
この中で、(1)は違法ですが、残念ながらそうした業者はまだ一定数存在しています。(2)に関しては、たとえば自殺があったのが5年前であれば、告知義務がないと考える業者が多く、そうした判断が業界の慣習になっています。
また、(3)では、そもそも告知義務は当該物件のみに適用され、隣や真上・真下の部屋でいくら凄惨な事件が起きていたとしても、業者が入居者にその事実を伝える必要はないとされています。
こうした場合、そこが事故物件であるか否かを知るために、最も確実な方法は「大島てる」のサイトを確認すること――というのが、まず私に言えることです。ただ、それ以外にも、「怪しい」と判断できるポイントはいくつかあります。