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殺人事件が起きたホテルは、なぜ外壁を塗り替えたのか? 大島てるが語る「事故物件を見破る“3つのポイント”」

事故物件サイト運営人が使う「プロのテクニック」 #2

2020/02/02

 今年も引っ越しシーズンが近づいてきました。前回は、その部屋や棟が事故物件か否かを見抜くポイントとして、“部屋の内側のリフォーム”についてお話ししました。今回は、事故物件のオーナーがカムフラージュのために行うことが多い、“部屋の外側のリフォーム”についてご紹介しましょう。(全2回の2回目/前編から続く

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外壁の色には要注意!

 このパターンでまず怪しいのは、外壁の色を塗り替えている物件です。私自身、事故物件の調査で「なかなか目当ての建物が見つからないな」と思っていたら、そのマンションが全く違う色に塗り替えられていたことがありました。また、探している物件に気づかず、当該マンションのすぐ横を車で通り過ぎてしまったこともあり、カムフラージュとしての効果はてきめんだと感じています。

 車で通り過ぎってしまった物件は、元はよくある白い外壁のマンションだったのですが、私が訪れたときには真っ赤に塗り替えられていました。何かの事件があってから外壁を塗り替える際は、以前とは全く違う色にすることが多いのです。東京都内で私が見た例でも、孤独死があったアパートは白から緑に、殺人事件があったラブホテルはピンクから茶色に塗り替えられていました。

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 たとえ外壁の色を変えても、近所に住んでいる人はもちろん、そこで事件があったことを忘れません。ただ、「あのあたりにある、ピンク色のホテルで事件があったらしい」などと、なんとなくの認識しかない人からすれば、色が変わってしまえば「あ、ここだ!」と気づくことは非常に難しくなります。

 今の時代、画像検索やストリートビューなどを使えば、その建物の過去の写真を見つけることはそこまで難しくありません。ある時期に、極端に外壁の色が変わっていたら、要注意と言えるでしょう。