料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、ベテランフードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。

 冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?


 料理に関して……

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・我が家で作るもの
・我が家では作らず、食べに行くもの
・我が家では作らず、買ってくるもの

 いきなり3つ掲げましたが、自炊生活を快適にする上で、これらの線引きはとても重要というのが今回のお話。

 

 自炊を長く続けていこうと思ったら、「ちょっとでも面倒だと感じた料理は、やらない」が基本でかまいません。「でも、それじゃいつまでたってもうまくならないし……」と思うかもですが、料理は星の数ほどあります。他の料理を試していきましょう。

 面倒に感じる料理は、あなたにとって「外で食べるもの」か「買ってくるべきもの」なんです。優先すべきは、あなたにとって「準備や調理が苦にならない料理」に慣れていくこと。

 苦にならない料理が増えていくと、次第に自信もついてきます。そして調理に対する気持ちの余裕もできてくるんですね。面倒に感じてしまう料理は、今よりもっと余裕ができて、そして気持ちが向いたときに再挑戦してみればいい。いや、しなくたっていいんです。

 人間づきあいと一緒じゃないでしょうか。

 頑張ってみたものの、どうにも合わない人って、いませんかね(笑)。相性のよくない料理とは、無理してつきあわなくていい。気の合う同士でやっていけばいいじゃないですか。無理しても、自分が疲れるだけだから。

 仕事を抱えつつ家事もしている人は、どんどんそうやって「我が家でやること、やらないこと」を決めていかないと、自分が苦しくなるばかり。いや、家事が仕事という人だってそうです。線引きを決めるのはあなたに権利があること。

 仕事場がある人は「家=休息の場」と切り替えもしやすいけれど、家事を担当しているとそうもいかないんですよね。もっと意識的に自分を休める努力が必要。そのためにも、「うちで作るもの・作らないものの線引き」は重要と私は思うんです。

 ちなみに私の場合は、ジャガイモの皮むきがどーーにも面倒で。嫌いな作業なんですよねえ。

 だから我が家では、ポテトサラダ=買うもの、外で食べるもの。なんてことを話すと、「えーっ、簡単なのに」なんて言われることもありますが、いいんです。人は人。「なんでイヤか?」なんて説明のつかないことだもの、気にしたってしょうがない。

 割り切って「うちでは作らないリスト」を心に決めてから、料理がもっと好きになれました。