妻の微妙な変化に気づくにはどうしたらいいでしょうか？

＜お悩み＞妻の微妙な変化に気づかないと怒られます

　妻とは結婚してもうすぐ５年。まだ子供がいないこともあり、自分で言うのもなんですが、いまだ恋人のような感じで、日々ラブラブに過ごしてます（照）。

　そんな仲良い妻との関係ですが、ラブラブだからゆえ、一点だけちょっと面倒に思うことが。

　それは、妻が本当に細かい自分の変化についても、僕が気づかないと怒るのです。

「髪型変えたの分かる？」

「このシャツ新しく買ったの分かる？」

　くらいならまだいいのですが、

「マスカラ変えたの気づいた？」

　とか、

「ファンデーション明るくしたの分かる？」

　まで来ると、さすがに無理！

　しかし、こちらが気づかないと「私への興味が薄れてる。女心を理解してない。愛が足りない！」と怒られます。

　先日などは、朝食にトーストを食べていたら「バター変えたの分かった？」と聞かれ、

「俺はそこまでグルメじゃない……」と朝から口論になってしまいました。

　妻の気持ちも分かりますが、そこまで妻のことばかり気にかけているのもさすがに無理。どうしたもんでしょう？

（３５歳・男性・会社員）

（小宮山雄飛の回答）

　結婚５年でそのラブラブっぷり、羨ましいかぎりです。

　女性はいくつになっても男性にかまって欲しいもの、ちょっとした変化に気づいてあげるのは大切です。

　とはいえ、たしかにファンデーションの色の変化まで問われても、男性にはつらいものがありますね。

　そこで、ラブラブな夫婦にぴったりの解決法として、神保町のカレーの名店「共栄堂」に行ってみることをお勧めします。

　二人で行ったらぜひとも、旦那さんはポーク、奥さんはビーフを頼んでいただきたい。

　というのも、こちらのお店は具材によってソースそのものを変えているので、複数人で行った時は、ぜひとも違うものを頼んで食べ比べをして欲しいのです。

　僕は学生時代から共栄堂ファンでしたが、思えば決まって１人で訪れていたので、ほとんどポーク１種類しか食べたことがなく、食べ比べをしたことがありませんでした。

　たまに奮発して一番高いタンカレー（１７００円）を頼むこともありますが、その時は当然タンカレーだけを食べてるので、やはり厳密には食べ比べができてません。

　そんなある日、珍しく男５人で伺う機会があり、せっかくだから念願の食べ比べをしてみよう！　と５種類（ポーク、チキン、ビーフ、タン、エビ）全部のカレーを注文しました。

　共栄堂ファンとしては夢のような食事です！

　いざ食べ比べスタート！

　ポークを食べて「これこれ、いつもの味！」

　チキンを食べて「うん、これも美味い！」

　ビーフを食べて「ああ……うん、美味しい」

　タンを食べて「う、うん……美味しいね……」

　って、なにこれ！！

　違いがあまり分からない！！　全部美味い！

　改めてもう一度食べ比べてみると、たしかに微妙にどれも違うのです。

　エビは魚介なので明確に風味の違いが分かるものの、残りの肉系４つはそこまで明確な違いではないんです。

　普通のお店だったら、チキンはインド風、ビーフは欧風、ポークはクリーミーみたいな感じに分かりやすく変えるじゃないですか。

　一方、共栄堂は、基本は同じなのですが、微妙にその素材に合わせて、調理法やスパイスの配分を変えている。なので一口食べたレベルではそんなに違いを感じないのです。

　しかし、よく味わえば各素材が一番美味しくなるようにできている！

　このように、食べた人が気づかないかもしれないレベルでも、わざわざ仕込みの手間を増やして各素材の味を引き出す、この繊細な作業こそが、プロの技と言えるんじゃないでしょうか。

　奥様、女性のお化粧やファッションも同じです、相手がはっきり「化粧変えたねー！」と気づくようではダメです。相手が気づかないレベルで日々キレイを保ち、旦那に「うちの奥さん、分からないけどなんかいつもキレイなんだよね」と思わせるのがプロの妻なのです。

　そして旦那様、そんな絶えまぬ努力をしている奥さんのちょっとした変化に気づいてあげるのがプロの夫ではないでしょうか。

　そんなお互いの愛と努力を忘れないよう、結婚記念日は毎年共栄堂に行って、初心を思い出してみるというのはいかがでしょう。

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　なお、共栄堂のある神保町はすっかりカレータウンとして有名になり、新店もどんどんできてますが、あえて「キッチン南海」や「エチオピア」といった老舗店に行ってみると、しみじみと「やっぱり美味しい」と感じるので、最新のスパイスカレーばかり食べ歩いている人は、今こそ初心に帰って老舗めぐりをしてみるのもお勧めです。