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そんな下村博文幹事長代行の加計学園スキャンダル発覚

下村博文 自民党幹事長代行
「文科省の大臣として、教育業界から寄付をもらっていいものかね」

『週刊文春』7月6日号

下村博文自民党幹事長代行 ©JMPA

『週刊文春』のスクープ。安倍首相の「腹心の友」のために必要性の疑わしい獣医学部が新設されるプロセスにおいて、さまざまな便宜が図られたのではないかという疑惑が続く学校法人「加計学園」問題。安倍首相の最側近で、加計学園とも極めて近いとされている下村博文元文科相が、その加計学園から「闇献金200万円」を受け取っていたというのだ。また、ほかにも政治資金規正法違反の疑いがある献金は1000万円に及ぶとされており、その中には教育業界関係者からのものが少なくなかったという。冒頭の発言は、下村氏が下村事務所の関係者に漏らしていたというもの。

 報道によると、下村氏の後援会「博友会」の資金集めパーティーの券を、文部科学大臣だった2013年、2014年の2年にわたって100万円ずつ計200万円を加計学園が購入したとされている。そしてこの献金は博友会の政治資金収支報告書には記載されていない。政治資金規正法では20万円を超えるパーティー券購入を受けた場合、収支報告書に記載しなくてはいけない。政治資金規正法に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は「このリスト(『週刊文春』編集部が入手した下村事務所の内部文書)が事実であれば、政治資金規制法違反の不記載にあたり、五年以下の禁固または百万円以下の罰金を受ける可能性があります」と指摘している。

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 下村氏は妻・今日子氏とともに加計学園の加計孝太郎氏と家族ぐるみの付き合いを続けている。第一次安倍政権で初めて行われた日米首脳会談には、安倍首相夫妻、下村官房副長官(当時)夫妻、そして加計氏も一緒に渡米していた。今日子氏は広島加計学園の教育審議委員にも就任していた。

「疑義があれば質問してください。誠実に答えます」

「責任を果たす。」自民党ポスターと下村幹事長代行 ©時事通信社

 報道を受けて下村氏は29日、自民党本部で記者会見を行い、「全く事実に反する」「加計学園から寄付もパーティー券の購入もしてもらったことはない」と強い調子で否定した(産経新聞 6月29日)。下村氏は会見で、「加計学園の秘書室長が事務所を来訪され、個人及び企業であわせて11名から預かってきた合計100万円の現金を持参したので、11名の領収書を作成し、渡したことが確認できた」「加計学園からのものではない」と説明している(朝日新聞 6月29日)。加計学園の秘書室長が持ってきた100万円は、加計学園が購入したものではないというのだ。

 会見では「疑義があれば質問してください。誠実に答えます」と述べた下村氏だが、「11名の個人及び企業」について問われると「詳しくは聞いていない」と明らかにせず、「20万円以下のパーティー券については、政治資金規正法で名前を出さなくていいことになっている」と突っぱねた(朝日新聞 6月29日)。政治資金制度に詳しい日大法学部の岩井奉信教授(政治学)は「購入者を分散させ、名前を伏せることを狙ったものでは」とストレートに指摘している(毎日新聞 6月30日)。誰だってそう思う。