恋人たちの秘密や、知らなかった職業の実情まで分かる
手帳のリストは、志良堂さんのコメントとともに目録としてまとめられています。
ざっと見ただけでも、詩人のノート、ADの手帳、舞台女優の手帳、建築家の手帳、女子高生が先生への片思いの気持ちを綴ったノート、ギャンブラーの日記、デリヘル嬢の手帳、夫婦の手帳など気になるラインナップだらけです。
利用者は一度に手帳を3種類まで閲覧することができます。誰の手帳を閲覧したいかスタッフに伝えると、スタッフが手帳をボックスから出して席まで持ってきてくれます。佐藤可士和事務所の収納のように整然と並んだボックス内には、ジップロックに入れられた手帳類が大切に保管されていました。
まず拝見したのは、看護関連の仕事をしていたAさん(女性・20~30代)の手帳。サンリオの同じサイズの手帳12冊はマンスリータイプで、極小の文字で几帳面に書かれています。
「和憲とデート」「和憲はカゼひいたのでデートキャンセル」「和憲とデート ねる前、イカせてもらった」「ネットして、えっちした」「よるえっち」などと頻繁に彼氏との性生活が書き込まれていてドキドキしました。でも、看護の仕事への意気込みが書かれたページもあり、根はまじめな女性のようです。
手帳からAさんの残留思念が伝わってきたのか、性的な日記に惹かれて、次に手に取ったのは、Tさん(女性・20代前半・デリヘル嬢)の手帳。1週間の日にちの欄に、淡々と稼いだ金額と客の特徴が書かれています。
「すぐイッた。トランクスがチェック」「GRAY好き、32才、やさしい、Hうまい」「小沢健二ってゆー人に似てる。フェラで2回イッた」「小柄なおじさん、何言っても笑ってる」など平和な書き込みもある反面、「梅沢とみお似、責め好き、息くさい、本強(本番強要?)うざい」「48才、ワキガ、チンコが豚小屋の匂いw」などディスり気味の記述も。
1日複数のお客さんをとって、2万円前後の高収入を得られるものの、心身的にハードな仕事だということが伝わります。先ほどの看護師さんもそうですが、知らなかった職業の実情を垣間みられるのも貴重です。