小池百合子 東京都知事
「私たちは『都民ファースト』ならぬ『国民ファースト』ということをベースに考えていく必要がある」
朝日新聞 7月3日
公認候補の50人中49人が当選して圧倒的な勝利を収めた「都民ファーストの会」。選挙翌日の3日には小池百合子都知事が党の代表を退き、特別秘書の野田数(のだ・かずさ)氏が新たに代表に就任した。
同日、記者会見で同会の国政進出について問われた小池都知事は、「私たちは『都民ファースト』ならぬ『国民ファースト』ということをベースに考えていく必要がある」と述べ、国政への関与に含みを持たせた。このときは「残念ながら今はそういう状況にない」と前置きしていたが、その後、小池都知事に近い若狭勝衆院議員はインタビューで「この流れ、大きな動きは、国政においても新党を作らなければならないというサジェスチョンだ」と述べている(ロイター 7月6日)。やる気満々じゃないの。
国政のことより、まずは山積している東京都の問題から片付けてもらわなければいけないのだが、地滑り的大勝を果たした「都民ファーストの会」への視線は厳しい。『週刊新潮』はさっそく「『小池チルドレン』というポンコツ議員一覧」という記事を掲載した(7月13日号)。
新代表に就任した野田氏に関しては、「東京維新の会」時代の2012年に「『日本国憲法』(占領憲法)と『皇室典範』(占領典範)に関する請願」を都議会に提出していたことが明らかになっている。これは現行憲法を無効にし、戦前の大日本帝国憲法の復活を求めるもので、「国民主権」を「傲慢な思想」として「直ちに放棄」すべきと主張している。この請願は反対多数で採択を免れた。7月2日の『週刊報道LIFE』(BS-TBS)に出演した野田氏は「都民ファーストではその立場はとらない」と釈明している(デイリー新潮 7月3日)。
「都民ファースト」「MAKE TOKYO GREAT AGAIN」など、小池都知事はドナルド・トランプ米大統領のキャッチフレーズを好んで使うことで知られているが(前者は「アメリカ・ファースト」、後者は「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」をアレンジしたもの)、そのうちトランプ米大統領のように暴言を吐くようになるのだろうか? 今のところ、言葉には非常に用心している小池都知事と「都民ファーストの会」の面々だが……。彼らがどのような政治を行うか、どのような発言を行うか。今後に要注目だ。