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「相手チームにも情報が聞こえてしまっているかも」

 スキップの藤澤五月は、研磨されたストーンについて「大きな変化はなかった。どちらかといえば、大会最終日まで(急激な変化がないように、なるべく同じ状態を)保たせるためのサンド(石の研磨)だったと思うので、そこまで気にはなっていない」と冷静に分析。

ロコ・ソラーレの藤澤五月。大会初日ではチーム東京に所属する姉・汐里との姉妹対決が話題に

 その上で、初戦を朝9時、2戦目を同日の18時、3戦目を翌日13時30分という、それぞれ異なった開始時刻での試合をこなしたことについても触れ、「それぞれアイスの状態と変化を確認でき、集中してアイスを読んでいる最中です。今後もまったく一緒ではないかもしれないけれど、引き続きチームでコミュニケーションをとっていきたい」と語り、「ただ、ちょっとコミュニケーションを大声でとりすぎて、相手チームにも情報が聞こえてしまっているかも。そこだけ気をつけます」とポジティブな悩みを打ち明けてくれた。チーム状態は良好だ。まずは予選を上位で通過し、優位な位置でプレーオフ(※)に挑みたい。

※プレーオフはまず、予選1位チームと2位のチームで戦い、勝者は決勝進出。敗者は予選3位と4位の対戦による勝者と準決勝を戦う「ページシステム」を採用している。

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連覇を目指す中部電力には頼れる参謀の存在

 ロコ・ソラーレを追って連勝スタートとなったのは、前回優勝の中部電力だ。札幌で行われた前回大会は10戦全勝で優勝しているので、2年がかりで12連勝という史上でも屈指の大型連勝中だ。2月11日はチーム軽井沢、北海道銀行フォルティウスとの連戦だが、連勝を伸ばせるのか止まるのか注目が集まる。

 スキップの中嶋星奈は、アイスや研磨した石について「曲がるのでソフトウェイトが使いやすく、プレーしていて面白いです」と無邪気に笑うが、中嶋を筆頭に中部電力の選手がショットに集中できるのは頼れる参謀の存在があるからだ。男子のTM軽井沢のスキップとしても今大会に出場している、日本カーリング史上初であろうコーチと選手の“二刀流”に挑戦中の両角友佑コーチだ。

コーチと選手の二刀流に挑んでいる両角友佑。選手として所属するTM軽井沢も好調だ

 公式練習やナイトプラクティスを清水絵美マネージャーと共にこなし、

「外(のライン)を通っていても急に曲がり始めてくることもある。そこだけ気をつけよう」

「1つ、変な(クセのある石)のが混ざっているくらいだから、あとは心配ない」

 といった選手目線での情報をチームとシェアした。両角コーチのもたらす精度の高い情報をアドバンテージとして、各選手はショットに集中できる環境が整った格好だ。連覇に向けて昨年のハイパフォーマンスが期待される。