「三角大福」「ワンワンライス」「金竹小(コンチクショー)」
この手の「ヒット作」をあげると、金丸信、竹下登、小沢一郎の頭文字をとって「金竹小(コンチクショー)」と呼んだ言葉か。もっと昔なら「三角大福」(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫)があった。やっぱり永田町発信。
小沢一郎は細川政権時には、公明党書記長の市川雄一との仲を「一・一ライン」と呼ばれ、さらに民社党書記長の米沢隆をあわせて「ワンワンライス」とも呼ばれていた。目まいがする語法であるが、新聞側も「世の中にも響いている」という前提で報じているのがおかしかった。
さて、先ほどの「THIS IS 敗因」という言葉遊び。よほど気に入ったのか、そのあと各紙に登場した。
「細田派 風当たり強く」(読売新聞・7月7日)
豊田、萩生田、稲田、下村氏はいずれも細田派の所属なので、党内では都議選惨敗の責任を細田派に問う声が多いと報じる。そして、
《中谷元・前防衛相(谷垣グループ)は4氏のイニシャル(T、H、I、S)をもじって「THIS IS 大打撃」と表現した。》
どうしてもその言葉を伝えたいっぽい。
元防衛相の中谷元、渾身の「かきくけこ作文」
中谷氏は「THIS IS ~」がウケたのが気分良かったのか、今度はこんなことを言い始めた。
「中谷氏、政治家が聞くべき「かきくけこ」 政権に苦言」(朝日新聞DIGITAL・7月7日)
《耳を傾けるべき「かきくけこ」とは――。自民党の中谷元・前防衛相が7日、たとえ話で政治家の心得を披露した。家内の言うこと▽厳しい意見▽苦情▽見解を異にする人と続けた上で、安倍晋三首相が東京都議選の街頭演説で「やめろ」コールした聴衆を指さして言い放った「こんな人たち」で結んだ。》
「かきくけこ」の「こ」とは、安倍首相が言った「こんな人たち」。
「加計ありき」ならぬオチありき!
そういえば、今村雅弘前復興相が失言で更迭されたあと、自民党の伊吹文明氏もこんなことを言っていた。
「政治家の発言、6つの『た』には注意せよ」(朝日新聞・4月28日)
《伊吹氏は、立場▽正しいこと▽多人数(たにんずう)▽旅先▽他人の批判▽たとえ話――の六つの「た」について気をつけるよう呼びかけた。伊吹氏は人によって正しさが異なることや、地方での応援演説で笑いをとりたくなることなどを指摘。「この六つをひと呼吸入れて考えれば、そうおかしなことは起こらない」と語った。》
こんなおじさんがゴロゴロいる永田町。そしてその言葉を報じる新聞(熱心なのは朝日新聞のイメージがある)。
うまい言葉合戦はいいから、政治に集中してください。