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無職の自分を責めてはいけない

カネなし、カレなし、コネもなし。30オンナの脱力系転職活動記

2017/07/27
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「頑張る期」と「ゴロゴロ期」を行ったり来たり

 無職になって、今までできなかったことを頑張って、すこしは自分のことを好きになれたのに……。

 このままだと、無為に時間を過ごし、無駄に自己嫌悪ばかりしているめんどくさい無職になってしまう。私が無職になってまでしたかったのは、そんなことではなかったはずだ……!

 半月ほどゴロゴロ無為に過ごしたのち、一念発起し「職務経歴書」づくりに取り掛かりました。

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 このゴロゴロ期間でよくわかりましたが、目的もなく無職をすると、その瞬間は確かに楽しいんです。世の人々が働いている時間に、ベッドの中でぬくぬくとしつつ猫と戯れるなんて、最高に楽しい時間です。

 ですが、こんな生活が自分にもたらすのは、自己嫌悪だけなんですね。せっかく働かなくていいんだから、ゴロゴロせずにこれまで時間がなくてできなかったことに取り組む。それが健全な無職生活(?)には重要だと痛感しました。

©iStock.com

 とかなんとかいいこと言ってやったぜ風にまとめてしまいましたが、この後も「転職活動頑張るぞ!」期、不採用が続き、「社会が私を必要としていないからゴロゴロしてやる!」期、「気をとりなおして頑張ろう!」期が周期的に訪れます。

 あっちもこっちも落ちて自暴自棄になりかけたとき、救いになったのは友人や在職中にお世話になった周囲の人々でした。

 転職活動の愚痴を聞いてくれたり、気晴らしに旅行に誘ってくれたり。

「後ろ向きな無職」になってはいけない

 無職になるとどうしても「働いていないという後ろめたさ」が生まれます。いい大人なのに、ろくに勤労も納税もせずにブラブラしている後ろめたさとでも申しましょうか。

 そのため、ついつい家に引きこもりがちになります。私のように無職の才能があると、それでもそれなりに享楽的に、刹那的な楽しみにふけって生きていけてしまうので、自分の世界に閉じこもってしまいます。そうやって、徐々に社会と隔絶してしまうのです。

 これはよくない無職のあり方です。仕事はせずともやりたいことをやっている「前向きな無職」生活では得るものがありますが、社会に背を向けて自分の殻に閉じこもる「後ろ向きな無職」は、自分の精神をむしばむだけです。無職生活を通して、無職こそ積極的に出歩いて、色んな人と会う必要があると痛感しました。

 無職になると、無駄に時間があることもあり、考えても詮無いことを考えてしまって落ち込むことも多々あります。

 ですが、今になって思うと、働いているときは日々生きていくことで精いっぱいで、じっくりと自分と向き合い「どう生きていきたいか」について考える時間なんて持てませんでした。しんどかったですが、そういう時間を持てたのは無職になってよかったことなのかなと思います。

 無職になるのがいいこととは言えませんが、なってしまったのなら、気持ちを切り替えて「今後のためになる」無職生活を送ることをオススメします。

 私はそれに成功したとは言い難いので、反面教師にして、「リア充」ならぬ「無職充」してください!

キヨシマの無職生活メモ
一、無職でも人生を充実させることはできる!

 ※この連載は、新聞記者として5年働いたキヨシマによる、「脱力系」転職活動記です。書かれていることは全て現在進行形のノンフィクションです

無職の自分を責めてはいけない

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