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稲田朋美 vs. 蓮舫「水鉄砲」に負けない「ガバナンス」とは何だったのか?

速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである

“ツッコミ”の蓮舫と“ボケ”の稲田

おぐら 気丈に振る舞っていた蓮舫代表と比べて、稲田元大臣は追い込まれると泣き出すような場面もありましたよね。

速水 蓮舫とは逆に、ボケと突っ込みでいえばボケだろうね。辞任後の囲み取材で「今の心境は?」って聞かれたときはにっこり笑って「空です」って。

©文藝春秋

おぐら 意味ありげに抽象的なことを言って謎を残すタイプのコメント。

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速水 でも一瞬「コックゥ~ん、しちゃった」って言ったのかと。

おぐら それは炎上したサントリーのビールの動画広告です。「肉汁いっぱいでました」などのセリフが下ネタを想起させると批判され、動画が削除されました。

速水 もしくは、稲田さん、陸自の日報を飲み込んでごっくんしたと告白したのかって。

おぐら なんですかそれ……。

速水 でも稲田も巻き添えを食った感じなので、「空です」っていうのは、その空しさを表現したとしたらちょっと納得できる。

おぐら 「何も言うことない」っていう。

速水 今回の日報の公表/非公表を巡る問題は、陸自からのリークがきっかけなんだよね。

おぐら なんでリークされたんですか。

速水 稲田に不満があった。具体的には、PKOの最前線にいる現場から「戦闘」と日報で報告されたのに、防衛大臣は「法的に戦闘ではない」と主張したっていう部分だろうね。

おぐら 実際に戦闘状態だったとして、それを認めて速やかに撤退しますという反応はできなかったんでしょうか。

制服組と背広組の溝は深まるばかり? ©文藝春秋

速水 いまの世界のPKO活動の中では、戦闘激化による撤退は、むしろNGなんだって。ルワンダの虐殺のような事態悪化の経験を経て、常識が変化している。自衛隊だけ自国の都合でそれを破っていいというわけでもない。

おぐら 国際ルールと憲法の板挟みですね。

速水 複雑な国際ルールの変化と、総理官邸からの要請に板挟みにされて、稲田自身はなにもわからないままに、こうなった。自発的に辞任したのではなく、それも上から言われたからみたいな感じだろうね。

おぐら 一時は次期首相候補とまで言われていたのに。

速水 もう可能性はなさそうだね。

おぐら 一方で、民進党はポスト蓮舫は誰だっていう話になっています。

速水 新代表として民進党のおなじみの人たちが出てきても、新しい感じがしないよなあって批判されているよね。

おぐら 政権再編を仕掛けていくしかないって。つまり、党内だけでなく、別のところからプレイヤーを見つけてくるしかないですよね。

速水 そうだね。次に残されているコマと言えば、上原多香子か島袋寛子かな。不倫をしないメンバーであれば誰でも。

おぐら なんでSPEEDのメンバーなんですか! あと仁絵ちゃんの名前がすぐに出てこなかったのは問題ですよ。

速水 ちなみに俺は断然、お多香さん派。

おぐら 土井たか子みたいに呼ばないでください!

新・ニッポン分断時代

速水 健朗(著)

本の雑誌社
2017年6月23日 発売

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