おぐらりゅうじ(右)=1980年生まれ。編集者。速水健朗(左)=1973年生まれ。ライター。 ©山元茂樹/文藝春秋

“電話するorしない問題”はどちらが正解?

おぐら 堀江貴文氏が、東洋経済オンラインのインタビューで「電話してくる人とは仕事するな」と発言した記事が話題になってます。
http://toyokeizai.net/articles/-/174408

速水 メールでのやり取りが当たり前の時代なのに、電話をするなんて論外! という強い主張に、ちょっと言い過ぎという反応もあるんだけど、そうだよねという共感の方が優勢な感じかな。

おぐら 「電話でしかやりとりできないような人は、僕の時間を無駄に奪う“害悪”だ」と。速水さんも一切電話出ないですよね。

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速水 出ない。これは、ホリエモンに完全同意。別に威張るわけじゃないけど、いつでも捕まることが前提になっているのが嫌。もう電話なんて生々しいメディアに、リアルタイムでリアクションなんてできないんだよ。

おぐら その生々しさとリアルタイム感が、安心を与えたりはするんですけどね。でも今の時代、面倒なことのほうが多いか。

速水 メールは非同期式なので相手の時間を奪わないけど、電話は同期型メディアで相手の時間を奪うということ。

おぐら 時間を寸断しますからね。それと、日程とか時間の約束とか、記録として残すべき用件を電話で伝えてくる人には、さすがにメールで送ってくれって思います。

©山元茂樹/文藝春秋

速水 いまどき就活でも若者が電話に出ないとか、新入社員が電話する前にメールで「電話していいですか?」と確認するとか、電話を巡っての論争はあるけど、こればかりはホリエモンと若者側につかざるを得ない。(http://style.nikkei.com/article/DGXMZO13579300S7A300C1000000

おぐら それと、若者は長電話しないみたいですよ。長時間のコミュニケーションは、完全にLINEやメール、SNSが代替しています。

速水 ちなみに、おぐら君は電話する派?

おぐら 僕はしますね。それこそ、編集者はいつでも捕まるようにしておくことも大事ですし。ただ、電話で原稿の催促をしても、だいたい出てくれません。

速水 そりゃそうだよ。集中して書いてる最中に電話に出たりなんかしたら、原稿に戻るのに1時間はかかる。かえって遅くなるね。

おぐら そんな……。待ってる側からすると、一言「今やってます」って言ってくれればいいだけなのに……。なんの応答もないと不安なんですよ。

©山元茂樹/文藝春秋

速水 取材のオファーとかは、さすがにメールでしょ?

おぐら 詳細はメールで送りますが、最初に電話もしますよ。「来週から出張で東京にいません」とか、概要を説明する前に一瞬でダメになる場合とかありますし。ちなみに、芸能事務所はいまだに「企画書はFAXで送ってください」って言うところ多いです。っていうか、ほとんどそうかも。