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加計学園問題で再評価? 「美しい国」日本の“FAX文化” 

速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである

外国人に笑われる日本の“FAX文化”

速水 FAXなんて、家にも一応あるけど、5年以上使ってないんじゃないかな。紙とか出してこないといけないし。

おぐら おそらく、担当者やマネージャーが複数いたりするので、個人宛のメールより会社宛にFAXで届いたほうが都合いいんだと思います。

速水 総務省の情報通信白書によると、FAX保有率のピークは2009年末で57.1%。その後、さすがに減るけど2014年で41.8%あるので、激減というほどではない。

日本ではまだ使用されているFAX ©iStock.com

おぐら 森友学園問題のときは、総理夫人付政府職員が送ったFAXが話題になりました。

速水 それを報道した『ニューヨークタイムズ』は、日本ではまだFAXが有効なコミュニケーション手段だって扱いで取り上げていた。完全にレガシーメディア扱いで笑ってしまったけど。

おぐら 「文書」が話題になっている加計学園問題でも、例の文科省メモがどのような経緯でつくられているのかを検証したまとめサイトがありますよ。
https://togetter.com/li/1116601

速水 やっぱりFAXが間に入っていたと指摘されている。日本社会にとってFAXは重要なのかな。メールだったら、サーバにデータとか残ってもっとシンプルなのに。

おぐら そういえば、出店料詐取として5人が逮捕されて話題になった「グルメンピック」事件でも、テレビが追いかけ回していた元ホームレスで大東物産社長の中井冬樹容疑者は、資料をシュレッダー処分したことが問題になってました。

出店料詐欺容疑で逮捕  「グルメンピック」の開催をうたうホームページ ©共同通信社

速水 そっか、紙だと証拠隠滅ができるのか。

おぐら 起業した友人に聞いた話では、実際は使わなくても、オフィスにシュレッダーを常備しておくことが大事だと。もし監査とかが入ったときに信用性の担保になるって。うちの会社はちゃんと機密文書を破棄していますよっていうアピール。

速水 へー。すごくいい話。オフィス機器四天王の中でも最強の存在だ。超電磁ジャミング機能搭載型シュレッダーで200%完全復元不可能! みたいな(笑)。

おぐら 漫画やイラストなんかで「これやっといて」と、上司が部下に大量の仕事を振るときの描写って、いまだに紙の束をドサッと机の上に置くじゃないですか。あんな前時代的な光景、役所とかではまだあるんでしょうか。

上司が部下に大量の仕事を振るときの描写 ©PIXTA

速水 さすがにないでしょ(笑)。いや、でもわかんないな。なんでも文書にしたがる、魂は紙に宿っている!と信じてる人は一定数いるからね。

おぐら 芸人の事務所から届くお笑いライブのお知らせとか、PR会社から届く記者会見の概要とかも、いまだにFAXが多い。プレスリリースなんて横文字使ってるのにそこは紙なんだ、って。

速水 普通にメールのほうが読まれそうなのに。FAXがない会社だってあるでしょ。

おぐら おそらく、事務所にある複合機にいろんな媒体のFAX番号が登録されていて、一斉送信なんだと思います。それをメールアドレスに切り替えるほうが面倒くさいというか、誰もやる人がいない。

速水 最近知り合ったアメリカ人とFAXの話をしたら、20年くらい見てないって笑われたんだけど、彼女によると日本人は、温もり好きだからFAX使っているとしか思えないって。

おぐら たしかに、印刷された紙って温かいですね。熱転写式FAXとかもありました。