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「ビュッフェでオレンジをこっそりバックに…」お金持ちほど“ケチ”になるのはなぜか

セレブに学ぶ「お金の使い道」

2020/02/26
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「金持ちから1円の税金を取るのは、貧乏人から1万円を取るより難しい」

 ホテル、銀行、高級ブランド店などでも水やジュースなどを出される場合があります。銀行のラウンジに行くと、用もないのに私用の打ち合わせなどをしている人を見かけます。平日の昼間なのでお金のある高齢者のようでした。

 また、高級ブランド店で試着だけして、水などをもらって帰る強者もいると聞きます。アパレル企業が主催するパーティーなどでも購入しているのはほんの一部で、飲食目当てに来ている人も多い印象です。日本でも粗品のサランラップやティッシュペーパーなどを使っている富裕層は多いですが、海外でも銀行のロゴ入りのペットボトルを自宅で見かけることもあります。

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「金持ちから1円の税金を取るのは、貧乏人から1万円を取るより難しい」と言ったりもしますが、無料で接待し慣れているのでサービスフィーを請求することが非常に難しいこともあるようです。

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富裕層の家系は「お金を守るスペシャリスト集団」

 このように、富裕層ほどお金の使い方にシビアな人はいません。納得をしないところには1円も支払おうとしないのです。芸能人なども、見えるところはゴージャスに着飾りますが、裏では質素倹約生活をしている人も少なくありません。

 ダイエットに例えるなら、「低糖質ダイエット」でしょうか。脂肪となる糖質を極限まで減らし、タンパク質など筋肉になるものを積極的に食べる方法です。富裕層は「糖質」のような「無駄な支出」がほとんどなく、「タンパク質」的な「資産価値の増えるもの」だけにお金をかけるようにしています。

 さらにこうした生活を習慣化し、子どもに必ず引き継ぎます。何代も続いている富裕層の家系はお金を守るスペシャリスト集団と呼び変えることもできるでしょう。

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 特にシンガポールに住むアジア富裕層はインド、中国など様々な地域から集まるため、日本人からすると想像の域を超える節約法や考え方があって、フィナンシャルプランナーの私も度肝を抜かれることがよくあります。

 こうした金銭感覚を見ていると、よほどの強運に恵まれていなければ難しいとは言え、なるべくしてお金持ちになったのだろうと思えてなりません。