「お客さまより従業員のほうが目立ちます」
25日には、大邱市の保健所のチーム長が実は新天地教会の信徒であり、新型コロナウイルスに感染していることが確認され、さらなる衝撃が走っている。また、新型コロナウイルスで死亡したとされる人の半分以上が、李マンヒ総会長の実兄が数日間入院し、葬儀を行った病院からでている。
新型コロナウイルスの感染拡大は韓国社会に大きな影響を及ぼしている。
韓国全国の小学校から高校は新学期が1週間ほど延期され、大学では2週間延期するところも出てきた。保育園も可能なかぎり休園するよう、26日、自治体が動き出している。
司法では裁判が続々と延期されており、行政では、国会議員らが新型コロナに感染した人が出たイベントに参席したとして、24日から2日間、防疫作業のため国会が閉鎖された。国会議員らは検査の結果、陰性だったというが、潜伏期間を考えると安心はできないという声もあがる。
大型イベントも次々と中止または延期された。日本でも人気のK-POPスター「TWICE」も3月に行われる予定だったソウルでのコンサートを中止している。
観光業界が被った打撃は大きい。アシアナ航空は中国路線の運航が79%、東南アジア路線も25%減少し、経営が危機的状況にあるとして18日、代表や役員が辞表を提出した(韓国経済2月24日)。大韓航空ではイスラエル-韓国便に乗った客席乗務員1人に感染者が出て、対応に追われている。旅行のキャンセルが続き、大手旅行会社でも週3日勤務にするところが出てきている。
ソウル市内の観光のメッカ、明洞も人はまばら。「売り上げが壊滅的に落ちた」と話すファスト化粧品店もあった。明洞にある百貨店の地下フードコートも、お昼時だというのに空席が目立つ。食品売り場で聞くと、「お客さまより従業員のほうが目立ちます」という返事が返ってきた。
軽症のうちに治療、防疫作業の徹底も方針とした
韓国政府はいまや市中感染の段階にある新型コロナウイルス対策として、今後4週間のうちに大邱市での感染拡大を止めることを目標とし、検査を進めて軽症のうちに感染者を確認、治療していく一方で、防疫作業を徹底する方針を発表した。26日には、車に乗ったまま検査できる「ドライブスルー方式」の検査場が登場し、話題になっている。
25日には、日本外務省から在韓日本人に、大邱および隣接している慶尚北道清道郡への不要不急の渡航を止めるようメールが送られてきている。
韓国でもここ1~2週間がヤマといわれる。