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「孤独と戦って……」欅坂46平手友梨奈とSKE48松井珠理奈 絶対的センターの悲しき共通点

2020/03/01

genre : エンタメ, 芸能

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過呼吸、けが、転倒落下……波乱続きの平手 

 事実、その後、「不協和音」は平手にとっても欅坂にとっても重くのしかかることになる。2017年大晦日の紅白歌合戦で同曲を披露したときには、平手をはじめメンバー数人が過呼吸のような症状で倒れ込んだ。翌2018年の紅白の曲目は「ガラスを割れ!」となったが、この年は平手は体調不良のため欠席、小林由依が代わりにセンターを務めた。そして昨年、2019年の紅白では平手がセンターに復帰して再び「不協和音」に挑み、2年ぶりにリベンジをはたしたことは記憶に新しい。

 思えばこの間、平手は波乱続きであった。先述の欅共和国の翌月、2017年8月のTOKYO IDOL FESTIVALにはあきらかに体調がよくない状態で出演し、運営側に批判が集まった。同月に行なわれた欅坂初の全国ツアーでは、愛知公演の1日目の出演をとりやめる。さらに翌2018年1月30日~2月1日に予定されていた日本武道館での欅坂のコンサートは、平手のけがのため、けやき坂46の単独公演に振替となった。その後、復帰を果たしたものの、同年9月のツアー最終公演(幕張メッセ)でステージから転倒落下して途中退場するアクシデントにも見舞われる(同公演には2度目のアンコールでステージに再び立った)。年末には、以前から体調不良が続いていたためあらためて精密検査を受けたうえ、しばらくは治療に専念しながら無理のない範囲で活動を継続すると発表。先述のとおり同年暮れの紅白は欠席した。

2015年「欅坂46」最終オーディションのときの平手友梨奈

「平手も珠理奈みたいになったか」

 このころ、ネットでは平手を松井と重ね合わせて「珠理奈みたいになってほしくない」「平手も珠理奈みたいになったか」と悪いほうにたとえるコメントも見られたという。当の松井はこれに対し、《めっちゃムカつくんですよ。私のなにを知ってるんだって》と憤慨しながら、平手について次のように語っている。

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《平手ちゃんも誤解されることはいっぱいあるかもしれないけど、でも欅坂46のためにがんばろうと思って今がんばってるわけだし、それで無理してでもステージに立ちたいと思ってるわけだし、それのなにが悪いのかわからない。私はそれで正解だと思ってるし、今は風は強いかもしれないし若いけど、それでも立ち向かって弱音を吐かずにやってるところが私はカッコいいと思うし》(※4)

2018年のAKB48選抜総選挙で1位になった松井珠理奈 ©時事通信社

 松井もまた、AKB48グループの将来を考えるあまり発した言葉が誤解されて、非難されることもあった。それだけにこの発言は、自分と似た立場にある平手へのエールともとれる。その松井も、2018年6月、地元のナゴヤドームで開票イベントが行なわれたAKB48グループの選抜総選挙後、体調不良のため約2カ月にわたり休養を余儀なくされた。復帰は、SKEが劇場公演を開始して10周年を迎えるタイミングだった。