「どこかで無理してたのかな……」
松井は昨年初め、デビューから10年を振り返って、《10年間はもちろん楽しかったけど、どこかで無理してたのかなって思います》と語っている。それに気づいたのには、2018年の選抜総選挙で1位になったあと、休養したのが大きかったという。彼女いわく《休養中、外から客観的に、“自分がいないSKE48”を見たときに、そこには“SKE48らしさ”がしっかりあった。私が前に出なくても、ただいるだけで意味があるのかなと感じたんです》(※5)。
ひるがえって、平手にもほかのメンバーにも「平手友梨奈がいない欅坂46」など考えもよらなかっただろう。欅坂はブレイクしたとはいえ、まだ発展途上のグループである。平手が欅坂を余裕をもって見られるようになるまでには、その年齢からしても、もう少し時間がかかったはずだ。そこにいたる前にこのような結末を迎えてしまったのが、残念でならない。当の平手は、脱退発表の直後にラジオのレギュラー番組に出演したものの、その理由については明言を避けた。いずれ落ち着いたころにも語られるのだろうか。2月27日には、欅坂のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が4月に公開されることが発表されたばかりだが、平手についてどうとりあげられるのか気になるところである。
なお、松井珠理奈は今年9月に、名古屋の日本ガイシホールで卒業コンサートを行ない、翌10月のSKE48劇場の12周年記念公演をもってグループでの活動を終了する予定である。欅坂脱退後の平手友梨奈とともに、これからの動向を見守りたい。
※2018年の紅白の曲目に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(3/2 18:40)
※1 『AKB48グループ新聞』2017年4月号
※2 『ROCKIN'ON JAPAN』2017年12月号
※3 『ROCKIN'ON JAPAN』2019年6月号
※4 『IDOL AND READ 012』(シンコーミュージック・エンタテイメント、2017年)
※5 『SKE48 10(えすけーいーふぉーてぃえいとの10乗)』(扶桑社、2019年)