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2020/03/01

「また阪神に行かないといけないですね」

 新たなシーズン開幕へ状態を上げてはいるものの、その姿をマウンドで見られるのは少しだけ時間を要する。母国での賭博で有罪となって科せられている出場停止期間が解けるのが5月。「今もゲームで投げられるぐらい調子が良いけど、5月に上がれるぐらいゆっくり調整している」とプランを語った。復帰を果たせば、あと1に迫る日米韓通算400セーブ達成、元中日・岩瀬仁紀の持つアジア記録407セーブ更新にも期待がかかる。サムスンでもクローザーを任されるのか聞くと「自分もまだ分かりません」と日本時代を思わせる“石回答”が飛んできた。

 タイガースでは2年間で80セーブを稼ぎ、ともに最多セーブのタイトルを獲得。14年にはクライマックスシリーズ全6試合に登板してMVPに輝き、レギュラーシーズン2位から日本シリーズ進出という下克上の立役者となった。今でも虎の様子は気になるようで「全部見てます。自分がいた時が一番強かったと思います。また阪神に行かないといけないですね」と少し誇らしげに笑った。

 取材中、福原忍、藤井彰人、安藤優也など現役時代にチームメートだった人物への感謝を何度も口にしたのが印象的。親日家であるとともに、日本のマウンドで守護神を務めたことは、大きな財産となっている。

「日本で学んだことは多いし、日本のピッチャーはコントロールも良いですし、フォークボールとかが良い選手がいっぱいいる。日本で習ったことが自分の体に合っているのかなと思う」

 かつて“追いかけ回した”番記者たちの顔を見て「みんな分かりました。会いたかったです」と最後も笑ってくれた。阪神時代にはなかった10分以上に渡る囲み取材を終えると、僕たちのことを一度も振り返ることなくロッカールームに姿を消した石仏。少し寂しく感じながらも、またどこかで会える気がした。

チャリコ遠藤(スポーツニッポン)

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