高齢化に伴い孤独死が増え、高齢者が変わり果てた姿で発見されることが社会問題となっている。また、隣人トラブルから殺人事件に発展してしまうなど、賃貸住宅の一室で起きた事件が世間を騒がせることもしばしばある。全国賃貸住宅新聞社が発行する賃貸不動産オーナー向け情報誌・月刊「家主と地主」が取材した、賃貸経営にまつわる稀有な経験・事件を紹介する(出典:「家主と地主」2019年9月号)

ネズミが部屋に侵入 ケーブルをかじられる

 オーナーのCさん(東京都足立区)は、「パソコンのケーブルがネズミにかじられたから弁償してください」と入居者からクレームを受けた経験を持つ。

 他の部屋ではあり得ない、ネズミが侵入する部屋の状態が気になったCさんは、女性入居者に連絡を取り管理会社の社員と共に入居女性の部屋を見せてもらった。

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 玄関を開けると、部屋の床一面にネズミの好物である食べ物が散乱していた。「食べかけの食パン一斤が袋から出されて放置されていました」と部屋の汚さに衝撃を受けたCさん。 

 流し台の扉を開けると、排水管周りのコンクリートパネルがネズミにかじられた形跡があり、そこが侵入口となっていたことが判明。

 弁護士事務所に勤務する30代前後の女性入居者は、汁物をそのままゴミ袋に捨てるなど、日頃からゴミの出し方で注意を受けていた。加えて、部屋を乱雑に使われていたことが分かったため、Cさんは次の契約更新をもって賃料を上げることを同女性に通知した。同女性は退去したという。

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