フレーム全体もくまなく洗ってください
――手を洗ったついでに石鹸で……、などは避けないといけないですね。では、中性洗剤を使った洗い方を教えてください。
古川 メガネ全体が入る程度の容器に水を張り、中性洗剤を2~3滴垂らしたら、その中でメガネを軽くジャブジャブと泳がせるようにしてください。こすらなくても、それだけで皮脂汚れがきれいに落ちます。そのあと、水洗いで洗剤を落としてから水気を拭けば完了です。
このとき、レンズだけでなく、ぜひフレーム全体もくまなく洗ってください。とくにテンプル(耳に掛ける部分)は、整髪料や汗などが付着する箇所です。なかでも汗の塩分はメガネが劣化する原因の一つなので、こまめに汚れを落とすことでメガネの寿命も変わってきます。鼻パッドについたメイク汚れなども、拭いておくといいでしょう。
――なるほど、正しい拭き方はわかりました。ですが、水やメガネ拭きが用意できない外出先ではどうしたら良いでしょうか。
古川 水で汚れを洗い流せない場合は、レンズに息を吹きかけて、表面についたホコリなどをできるだけ払ってください。そのあと、柔らかな布で拭く。メガネ拭きが理想ですが、なければティッシュでも構いません。できれば、なるべく柔らかな質感のティッシュがいいですね。
(3)メガネを掛けたままお風呂がNGな理由
――メガネユーザーのなかには、「見えないから」という理由でメガネを掛けたままお風呂に入ってしまう人も少なくありません。メガネをお湯で洗っても良いのでしょうか。
古川 メガネは熱に弱いので、決してお湯で洗わないでください。メガネを掛けたままお風呂に入ること自体がNGです。
――熱によってどんな影響が出てしまうのですか。
古川 とくにダメージを受けるのが、レンズです。先ほども少し触れたのですが、レンズの表面には傷や反射を防止するために、ミルフィーユ状に何層ものコーティングが施されています。現在レンズの多くはプラスチック素材のため高温下で膨張するのですが、コーティングはその膨張に追随できず、ひび割れてしまうんです。レンズの表面に細かいシワのようなものができてしまい、視界も見栄えも悪くなります。こうなってしまうと、お店に持ってきていただいても元には戻りません。
――熱がNGということは、サウナも避けたほうがいいですね。
古川 そうですね。ごく一部に「耐熱仕様」のレンズもあります。私もサウナ用にひとつ持っています。ただ、フレームは劣化しますので、覚悟の上で使用しています(笑)。