メガネの傷や歪み。その一番の原因となるのは、日々の取り扱いだと言われている。正しく取り扱わないとメガネにダメージが蓄積され、買い替えのサイクルを早める原因となってしまうことも。
そこで今回は、メガネの正しい取り扱い方法について老舗眼鏡専門店「イワキメガネ」神保町三省堂店、店長代理の古川秀光さんに話を訊いた。(全2回の2回目/前編から続く)
(1)レンズが傷つく置き方は避けるべし
――前回はメガネの正しい拭き方について、お話を伺いました。じつはメガネの取り扱い方についても、きちんと教わる機会はあまりないと思います。何か気を付けるべきことはあるのでしょうか。
古川 メガネはデリケートなので必ずケースに入れて保管するのが大前提ですが、一時的に外すような場面も多いですよね。そうした時は、フレームを開いたまま、フロント(前枠)の上側が下になるよう上下逆に置いてください。
――逆さまに置くというのは意外ですね。
古川 つるの部分が下側になったほうが、置いたときに安定感があるんです。また、万が一上から力が掛かった場合でも、レンズへのダメージを最小限に抑えることができます。絶対に避けたいのは、レンズの部分を下側にして置いてしまうことです。レンズ表面の一番出っ張っているところは、「光学中心」といってレンズの一番大事な部分となるので、傷がついてしまうと見え方に大きく不具合が生じてしまいます。
――就寝時は、やはりケースに入れて保管すべきでしょうか。
古川 長時間外している場合は、ケースに入れておくのが安心です。ですが就寝時については、夜中に地震が起きたときなど、パッとメガネを手に取りたくなるシーンもありますよね? ベッドにヘッドボードなどがあればそこに置くのが望ましいですが、もし枕元にそのまま置いておきたいのであれば、枕の上側に置くことをオススメします。枕の横ですと寝返りによってベッドから落としたり、つぶしたりしてしまう恐れがありますが、上側ならばそのリスクをある程度避けられるでしょう。