(2)ケースは大きすぎても小さすぎてもダメ
――では、メガネケースに入れて保管する場合、レンズ面はどちら側にして入れるのが正解なのでしょうか。
古川 これに関しては、ケースの作りにもよります。ポイントは、レンズを傷つけないように入れること。持ち歩いている際ケースのなかでメガネが動いたときに、レンズが傷つくのを防ぐためです。ケースの内側全面にフェルトのような柔らかい布が貼られている場合、どちら向きでも大丈夫です。蓋の裏側に布が貼られていないケースの場合は、布の貼られている下側にレンズの表面が触れるように入れるといいでしょう。底にメガネ拭きなどを敷いてから入れると、より安心です。
――なるほど。レンズを守ることを基準にすれば良いと。
古川 はい。その際ケースはメガネの大きさに合わせた大きさであることが望ましいですね。小さいケースに無理矢理入れようとすると、中でメガネが歪んだり、つるの先がケースに挟まったりして、型崩れの原因となってしまいます。かといって大きすぎると持ち運ぶときに中でガタガタ動いてしまいますので、適正な大きさのケースを使うことをおススメします。
――メガネケースは、大は小を兼ねないのですね。
(3)車のなかに放置するのはNG!
古川 前回もお話ししましたが、メガネは熱に弱いものです。ですから、これから夏に向け車のなかにメガネを置いたままにするのは絶対に避けてください。
――運転時にしか使用しないサングラスなどは、そうしてしまいがちです。
古川 ダッシュボードの上にサングラスが置きっぱなしになっている車を見かけることがありますが、夏の車内は思った以上に高温になります。直射日光があたる状況だとダッシュボードは70℃近くまで熱くなると言われ、メガネの保管状況としては最悪です。
熱が加わると、プラスチックのレンズは膨張して表面のコーティングが剥離してしまいますし、フレーム部分もプラスチック製の場合はぐにゃりと曲がってしまうことがあります。慌ててお店に持ち込むお客様も多いのですが、そうなるともう修理がききません。
――ケースに入れていてもダメなのでしょうか。
古川 ケース内の温度も上がってしまうので、熱さからは守れません。ご面倒かもしれませんが、運転時しか掛けないメガネやサングラスでも、必ず車外へ持って出るようにしてください。室内でも、直射日光の当たる場所や熱源のそばなどでの保管は避けたほうがいいでしょう。