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2人の出会いは?

 対談では、2人の「馴れ初め」についても。

荒磯 ロクイチ組と呼ばれて注目されるのは嬉しいけど、あまり自分たちで意識したことはないね。

徳勝龍 そうっすね。

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荒磯 俺は中卒で相撲界に入ったし、トクは大学4年生の時に木瀬部屋に入門した。当初はあまり接点もなかったし……。

徳勝龍 僕が初土俵を踏んだ2009年初場所は、親方が関脇昇進を決めた場所でした。稀勢の里関といえば、遥か遠くの存在だったし、ロクイチ組の他の力士も、みんな自分より先に出世していました。気になるかと聞かれますが、「自分は自分」とあまり意識したことはないです。ただ、親方と初めてご一緒した日のことはよく覚えてますよ。

第72代横綱で幕内優勝2回の荒磯親方(元稀勢の里) ©文藝春秋

荒磯 2012年の夏巡業で北海道に行ったとき、北太樹関(当時。現・小野川親方)と3人で飲みに行ったね。

徳勝龍 当時、親方は大関で、自分はまだ十両。メチャクチャ緊張しました。

「ラーメン。麺抜きで」

荒磯 3人でしこたま飲んだ後、小野川親方に急用ができてしまい、最後は2人で〆のラーメンを食べにいった。

徳勝龍 あのとき親方が普通に、「ラーメン。麺抜きで」って注文した時はビビりました(笑)。「グルテンフリー(小麦粉製品を摂らない食事法)」を試していたんですよね。

©文藝春秋

荒磯 ははは、当時は俺もけっこうとんがってたからね。

徳勝龍 やっぱり、強い人はこだわりが違うなと。親方は麺の代わりにトッピングのもやしだけ入れてもらって、抜いた麺は僕の方に入れてくれと。僕は「大盛り」を注文していたので、文字通り、麺が「山盛り」で、さすがに食えるかなと焦りましたよ。

荒磯 いや、軽く平らげてたじゃない。あの時のラーメンのスープ、ちょっと味が薄かったよね。

徳勝龍 でしたね。

出典:「文藝春秋」4月号

 同学年同士、ガチンコの本音トークを繰り広げた対談「俺たち花のロクイチ組!」は「文藝春秋」4月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されている。春場所のテレビ観戦のお伴に格好の観戦ガイドだ。

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文藝春秋

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特別対談「俺たち花のロクイチ組!」