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“無音シーン”が最高 無観客試合のミュージシャン的楽しみ方

文春野球コラム2020 開幕延期を考える

2020/03/15

野球観戦最高の無音シーン

 では無観客試合に於ける「休符」とは何か。それは文字通り完全に音が途切れた箇所だろうか。ならば今回無観客試合をテレビ観戦していて、それが顕著に現れたのはバッテリーがサインを交換するタイミングであるように思う。ベンチからの声も止まる、時にベンチ前でキャッチボールを行う投手さえ固唾を飲んで見守っている、試合展開にもよるがこの瞬間こそ一番「無音」が楽しい瞬間ではないだろうかと自分は感じている。

 時にサインが決まらずピッチャーが2度3度と首を振る瞬間、そして縦に首を振り投球動作に入るその瞬間。スタンドの大歓声があっても緊張する瞬間であるが、今シーズン、オープン戦が無観客試合となった事でこの時間が浮き彫りになったように感じるのだ。そもそも音楽的「休符」は次の「音符」を鳴らす為に存在する「無音」。「休符」次第で次の「音符」を活かしたり殺したりするものだ。そしてこの投球時の「無音」次第で、次に訪れる「音符」、そう「ズバン」なのか「カァン」なのかが天と地ほど違ってしまうだろう。他にもミュージシャンなりに色々と「音符」を感じたこの無観客試合、他の気付きは次のコラムに取っておく事にしよう。

 あっ、これを読んでくれた読者の方で、「カラオケがうまく歌えないなぁ」って悩んでいる方。一度「休符」を意識してみてはいかがだろうか。きっとリズミカルに歌えるはずだから。

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